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iPhoneがAR普及の起爆剤に Appleの深謀遠慮

シンプルなハード要求、開発者の評判

 iPhoneのAR機能は6月の開発者会議で発表されたAR用フレームワーク「ARKit」で実現する。必要なハードウェアはシンプルで、スマートフォン内蔵の1台の一般的なカメラとモーションセンサー、そして少し高スペックのCPUだ。対応するiPhoneは「A9以上のプロセッサ搭載」(iOS 11へのアップデートが必要)で、モデルとしては6s以降となる。

 既に多くのデベロッパーが早期版で準備を進め、例えば、家具大手のIKEAは、ARシミュレーションアプリ「Ikea Place」を今月中にリリースする予定だ。iPhoneのカメラで自宅の部屋の中をスキャンし、IKEAの商品の仮想家具を配置する。家具は実寸で表示され、光の具合や影までもリアルに表現する。

 Forbesによると、IKEAの従業員70人が日夜取り組んで9週間半かかったが、それでも、以前のARプラットフォームよりは、はるかに使いやすかったという。IKEAは2013年からヘッドセットを使ったARアプリの開発に取り組んできた。同社のデジタル変換責任者、Michael Valdsgaard氏は「いままで、ARを本当に良いものにする手段やプラットフォームがまるでなかった。それをARKitが実現した」と絶賛する。