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「世界5大クラウドの1つ」目指す Huaweiのパブリッククラウド攻略

 パブリッククラウド市場は、大手が圧倒的な強みを見せている。勝負はついたとみて撤退するベンダーもある中、あえて勝機があるとして仕掛けるベンダーが出てきた。スマートフォンでは世界3位のシェアを持つ中国の通信機器メーカー、Huawei Technologiesだ。今月初めの自社イベントで、同社は(世界の)「クラウドトップ5に入る」と宣言した。その戦略はどんなものなのか。

“Huawei連合”で世界展開

 9月5日から3日間、中国・上海で開催されたイベント「Huawei Connect 2017」は、同社の法人向け事業が展開する年次イベントで、今年で2回目となる。この場で、同社の輪番CEO兼副会長のGuo Ping(郭平)氏は「世界のクラウド事業者は今後、統合が進んで5つになるだろう。Huaweiはその1つになる」と述べた。

 同社は2016年に、中国市場でパブリッククラウド「Huawei Cloud」をスタートさせており、国外ではパートナーと組んで展開している。パートナーは、これまでにDeutsche Telekom(DT)、France Telecom(FT)、Telefonicaの3社を発表している。いずれも、無線事業も持つ旧国営の通信事業者だ。

 3社は、基地局など無線機器でのHuaweiの顧客だ。Huaweiはこれら国外パートナーと共に展開するパブリッククラウドを、「One World」「Star Alliance」「Sky Team」など、航空会社のマイレージサービスのアライアンスに例えている。

 Huaweiはイベント中、クラウド上で提供するAIサービス「Enterprise Intelligence(EI)」も発表している。機械学習、ディープラーニング、グラフ解析、AIトレーニング、推論などのプラットフォームの上に、音声認識、画像認識、自然言語サービスの各APIをそろえる。このほか、開発者向けのツールをクラウドで提供する「DevCloud」の最新版なども発表した。

 そして、Microsoftとは、同社のアプリケーションをHuaweiのパブリッククラウド上で提供する提携を結んだと発表した。顧客はMicrosoftのアプリケーションをサービスとして利用できるようになる。