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エンタープライズに浸透中 オープンソースPaaSのCloud Foundry
2017年6月26日 09:14
「顧客が使っている」とMicrosoftが参加
Diginomicaの高い評価は、Cloud Foundryが開催したCloud Foundry Summitイベントの後に語られたものだ。このとき、Microsoftがゴールド会員として参加するという発表がなかったら、開発者コミュニティの中でだけ盛り上がるものだったかもしれない。だが、最初に飛び出したこの発表で、にわかにメジャーなIT系メディアの注目を集めた。
例えば、ZDNetのLinux/オープンソースウォッチャー、Steven J. Vaughan-Nichols氏は、「そう、あのMicrosoftが、そうJava、そしてオープンソースだ」という副題で取り上げている。
Vaughan-Nichols氏は、Cloud FoundryがJava、Node.jsをベースとしており、Microsoftの.NET Coreと対立するなど取り合わせの意外性を説明しながら、イベントで基調講演したMicrosoftのAzure担当ディレクター、Corey Sanders氏の「顧客がAzureでCloud Foundryを利用しているから」との言葉を引用した。
Sanders氏によると、Microsoftは2015年からCloud Foundryと協力してきた。参加の背景には、Azure上にある仮想マシンの3つに1つでLinuxが動いており、Azure Marketplaceにあるイメージの60%がLinuxベースという事実があるという。そして、保険のManulife、FordなどAzure上でCloud Foundryアプリケーションを動かしている顧客も少なくないとしている。
一方で、MicrosoftがAzureで競合するAWSの姿が、ここにないことにもスポットが当たった。Tech Crunchは、既にゴールド会員として参加しているGoogle、新たにゴールド会員となったMicrosoftに触れながら、「AWSがすぐに参加するとは思えない」と言う。だがユーザーが既にAWS上でCloud Foundryを実装していることも指摘した。
Cloud Foundryの勢いに加わる企業はMicrosoftだけではない。複数のメディアが注目したのが業務アプリケーション大手SAPのテコ入れだ。SAPは自社PaaS「SAP Cloud Platform」でCloud Foundryを活用してマルチクラウド対応を進めている。
SDxCentralによると、イベントで基調講演したSAPの幹部は「すべての企業がソフトウェア主導にならねばならない」と述べ、迅速なデジタルトランス化への対応をCloud Foundryが支援できるとの考えを示した。SAP Cloud PlatformはAWSで動くほか、Azureにもベータ対応しており、Google Cloud Platformのサポートも計画している。またSAPのIoTのプラットフォームとしても位置付けられている。