クラウド特捜部
Windows AzureからMicrosoft Azureへ
(2014/5/15 06:00)
データベース関連の強化
データサービスとしては、SQLデータベースの容量が最大500GBにアップされた。多くのオンプレミスで動作しているデータベースの多くをMicrosoft Azureに切り替えていけるだろう。
また、Self Service Recoveryがサポートされたことで、人間のミスでデータを破損したり、プログラムのロジックのミスでデータが削除されたりしても、復旧が容易になる。過去35日間の任意の時点のデータがバックアップされているため、ユーザーが指定した日時のデータに簡単に戻すことができるのだ。
Self Service Recoveryは、SQLデータベース Premiumのサービスとして組み込まれているため、ユーザーが複雑な設定を行わなくても、自動的にバックアップが行われる。データは異なるリージョンにバックアップされ、地理的な冗長性を保証される。
またSQLデータベース Premiumでは、Azureの各リージョンに、4つのアクティブなSQLデータベースを構成することにより、アクティブな地理的な冗長性を持たせたレプリケーションが可能になった(アクティブ Geo レプリケーション)。
ビッグデータ分析のHDInsightのHadoopも最新の2.2にアップデートされた。今回の機能強化では、.NET 4.5のサポート、監査機能や操作履歴の保存などの管理機能が追加されたほか、Hiveクエリの機能強化などが行われている。さらに、Hadoop 2.2ではジョブ実行フレームワークがYarnに変更されたことで、さまざまなモジュールが簡単に実行できるようになった。
このほか、Build 2014の発表ではないが、Build2014後に開催された NAB(National Association of Broadcasters:放送機器展)では、Azure Media Serviceの機能強化が発表されている。
さまざまなデバイスに向けたライブストリーミング配信サービスでは、オンデマンドのビデオやイベントのライス映像を取り込み、処理、配信することができるようになった。セキュア配信サービスでは、Microsoft Play Ready デジタル著作権管理(DRM)または、AES暗号化機能により、コンテンツを暗号化することが可能になった。コンテンツは配信時だけでなく、ストレージへの保存時、アップロード時なども暗号化されている。これにより、エンドツーエンドでコンテンツを保護することが可能になった。
また、Office 365のビデオ配信の機能を追加することで、企業が簡単に、ビデオを使ったポータルなどを構築することができる。ここで利用されているビデオ配信機能は、Microsoft AzureのMedia Serviceが利用されている。
管理ポータルを一新
現在プレビューが行われている新しい管理ポータルは、より直感的に使いやすい様に一新されている。新しい管理ポータルでは、データベース、アプリケーションサーバー、Webサーバーなどをバラバラに管理するのではなく、サービスを提供するシステムを一つのグループにまとめて、管理できるようになった。また、料金の請求管理もグループごとに管理できるようになっている。
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今回は、Microsoft Azureの新機能などに関して解説した。Azureに関しては、価格やインスタンスなども変更されているので、近々解説したいと思う。
なお、新しい開発環境や.NETのオープン化、iOSやAndroidなどのモバイル環境でのアプリケーション開発などについては、別途特別企画として紹介していく。