クラウド特捜部

SoftLayerを武器にクラウドをロックオンしたIBM

世界のデータセンター間の通信が無料で利用可能

 データセンターについても、SoftLayerを買収してからは、IBMのリソースを利用して、積極的に拡大を図っています。2014年中には、15カ国40拠点のデータセンターからサービスを提供する予定です。もちろん、2014年には日本国内にもSoftLayerのデータセンターが設置される予定になっています。

 クラウドサービスとしては、各国にデータセンターが設置されるだけでなく、各データセンターをつなぐネットワークも重要度が増しています。SoftLayerでは、データセンター間を冗長化した10Gbpsのネットワークで接続しており、例えば、東京~香港間であっても30~40msといった低遅延で、広帯域(10Mbps~10Gbpsまでを選択可能)で接続することができます。

 さらに、ネットワークの転送料金自体も他社のクラウドサービスに比べると非常に安くなっています。プライベートネットワークでは送受信料が無料。パブリックネットワークは受信が無料で、送信も、仮想環境においては5TBまで無料、物理環境においては20TBが無料となっています。これは、それぞれのデータセンターにおいて価格が異なるのではなく、ワールドワイドで統一した料金です。

 こういうことからもSoftLayerは、ワールドワイドでビジネスを展開する企業にとっては、使い勝手のいいクラウドサービスだと自負しています。

SoftLayerは2005年米国のテキサス州ダラスを本拠地にして誕生した。2013年にIBMが買収して、2014年中には、日本にデータセンターが設置される予定だ
SoftLayerは、ワールドワイドで構築された高速ネットワーク、ベアメタルサーバーのデプロイメント、豊富なサービスメニューが特徴になる
冗長化された10Gbpsのネットワークが標準で用意されている
SoftLayerのネットワーク全体構成。IaaSで必要とする、ロードバランサーやファイアウォール、ネットワークセキュリティだけでなく、ストレージにはiSCSIやNAS、オンラインバックアップなども用意されている

(山本 雅史)