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仮想環境向けアプライアンスを提供する米Nutanix、日本法人を設立
国内ビジネスを加速、今後3年間で25億円規模のビジネス構築を目指す
(2013/6/5 15:00)
仮想環境向けのアプライアンスを手掛ける米Nutanixは5日、日本市場での営業を強化するため、日本法人「ニュータニックス合同会社」を設立したと発表した。
Nutanixは、仮想環境向けのアプライアンス製品「Virtual Computing Platform(旧名称:Nutanix Complete Cluster)」を手掛けるベンチャー企業。その主力製品であるVirtual Computing Platformは、サーバー(コンピュート)機能とストレージを一体化しており、その上で即座に仮想ワークロードを実行できる。
実際の製品は、x86のCPU、メモリ、ストレージなどの機能を持つノードを最小単位としており、Nutanixがブロックと呼ぶ2Uサイズのシャーシに、ノードを4つまで搭載可能。そして、このノードを並列に並べてクラスタ化することで、コンピュートリソースと容量を容易にスケールアウトできるのがVirtual Computing Platformの最大の特徴だ。
実際のストレージは、最新機種のNX-3050の場合、各ノードに400GB SATA SSD×2と1TB SATA HDD×4を搭載しているが、独自の分散ファイルシステム「NDFS(Nutanix Distributed File System)」により、複数のノードが搭載するストレージを仮想的な1つのストレージプールとして構成できるため、ユーザーはデータがどこにあるのかを気にする必要はない。
また、アクセス頻度の高い“ホット”なデータはSSDへ、利用頻度の低いデータはHDDへ格納される自動階層化機能を備えているほか、アクセス頻度の高いデータが1つのノードに集中しないよう、ノード間の最適化も行われるという。
クラスタは最小3ノードから構成できるので、スモールスタートにも対応。必要に応じてノードを追加していけば、リニアに性能が拡張できるのも特徴で、ニュータニックス シニアSEの川端真氏は「VblockやFlexPodといった製品は単なる組み合わせ製品に過ぎず、大がかりなシステムが必要になるのに対し、Virtual Computing Platformはわずか2Uのブロックから小さくスタートでき、ビジネスの成長にあわせてスケールしていける」という点を指摘。「初期コストだけでなく、データセンターのラックスペースや使用電力も減らせるため、4割~6割のコストを削減可能だ」と述べ、そのメリットをアピールする。
日本国内の販売代理店は、日本法人設立前から積極的に手掛けてきた日商エレクトロニクス株式会社をはじめ、株式会社ネットワークバリューコンポネンツ、マクニカネットワークス株式会社の3社。用途としては、一般的なサーバー仮想化から、仮想デスクトップ(VDI)、ビッグデータ分野での活用を視野に入れている。
川端氏は、「物理サーバーをたくさん並べているのを1つにまとめる、といった一般的なサーバー仮想化の集約に利用できるほか、高速なレスポンスを返せることから、パフォーマンスを要求するVDI用途にも向いており、XenDesktopとVMware Viewをサポート可能だ。また、Hadoopのストレージ基盤として利用するケースも増えている」と利用傾向を説明した。
またニュータニックス日本法人の代表であるマネージングディレクター、岡田卓也氏は、「クラウド事業者、IaaSのサービスインフラとして提供したい」としたほか、パートナーと共同で、SMB向けのVDIインフラパッケージの提供も計画しているとのこと。今後3年間に25億円規模のビジネス構築を目標としている。