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光華女子学園、NutanixやXenDesktopを利用した全学VDI基盤を導入

 株式会社ネットワールドは23日、京都市の学校法人光華女子学園が、ネットワールドが取り扱うCitrix XenDesktop/XenAppと、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)のNutanixを採用したと発表した。同学園では、ネットワールドの支援のもと、学内クライアントPCの仮想デスクトップ(VDI)化プロジェクトでこれらの製品を導入しており、4月より本格稼働開始したとのこと。

 光華女子学園は、学生の教育用など、学内やPC教室にクライアント端末を配置しているが、従来の物理PCでは、OSやアプリケーションのアップデート、セキュリティ対応に多くの手間と工数が掛かり、教員の要望にタイムリーに対応できないといった問題を抱えていた。

 また各端末は講義などに使用しているため、メンテナンス時間をどう確保するかという点も課題となっており、例えば新年度に向けたPC教室の準備は、春休み中の限られた時間内で行う必要があった。さらには、担当部門が少人数であることから、ウイルス対応などのイレギュラーな事象が発生すると、本来の業務にも支障が生じてしまっていたという。

 そこで、光華女子学園はシステムのVDI化を検討した。ただし、同学園は以前、一部の学科を対象にVDI基盤を構築した経験を持つが、特定学科のみの利用では費用対効果が低く、また物理PCと比較してレスポンス遅いなどの理由から数年で運用を終了した経験があり、それを踏まえて今回は、PC教室用の50台、教職員用クライアントの60台を対象としてVDI化することにした。

 そして製品としては、直近のサーバー仮想化プロジェクトで成果を上げたNutanixを、全学VDI基盤にも採用している。光華女子学園では、同プロジェクトで導入したNutanixの性能や管理性を高く評価しており、一度は利用をやめたVDIについても、同製品を利用すれば、狙い通りの基盤を実現できると考えていたという。

 また仮想アプリケーションと仮想デスクトップソリューションには、Citrix XenDesktop とXenAppを採用した。この理由として、Nutanixの無償ハイパーバイザー「AHV」に対応しており、VDI化のコストを最小限に抑えられることと、多彩な運用管理機能や柔軟なポリシー設定機能を備えていることを挙げている。

 実際のクライアント環境は、3種類に大別される。まず、PC教室の50台に対しては、大量のクライアントを効率的に運用できるよう、すべてXenDesktopのMCS(Machine Creation Services)で一律の環境を提供。

 また教員用の30台は、多種多様なアプリケーションを利用することからフルクローンで環境を構築したが、Nutanixのクローン機能でデスクトップ作成の迅速化と容量削減を図り、通常は1時間以上を要する展開作業が30分程度で完了できたとしている。

 一方、職員用の30台はXenDesktopのMCSとXenAppを組み合わせ、イメージ作成・管理の手間を省きつつ、必要なアプリケーションを活用できる環境を実現した。

 なお導入にあたっては、HCIならではの導入の簡便さを生かし、通常は1週間程度を要するインフラ構築作業が半日で終了したとのこと。導入後は、大量端末の一元管理でメンテナンスが効率化され、セキュリティが向上したことに加え、Nutanixによってログイン時間が以前の約1/10程度に短縮されている。

 光華女子学園では、新たなVDI基盤によって十分な導入メリットを得られたと評価しており、今後は、VDI化対象の台数を600~650台程度まで増強する予定とのこと。