週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】パケットロスとは
2025年6月10日 06:00
ネットワーク上の通信において、送受信されるデータの一部が途中で欠損すること。データが正常にやりとりされていないことと同義であり、結果的に取引処理が異常終了する事態などに発展しやすい。
インターネットをはじめとする通信ネットワークでは、多くの場合「パケット(英語では『小包』を意味する)」という単位にデータを分割し、端末間を送受信させる。巨大なデータがあったとして、これを一度に連続して送ろうとすると、なんらかの外的トラブルで途中失敗した場合、最初から処理を丸々やり直さなければならない。パケットに小分けすれば、途中でのやり直しが簡単だったり、1人が回線を占有せずに複数人で共有できたり等、送受信効率は上がるとされる。
ただしパケットは、正常に届かず欠損・消失する場合がある。これをパケットロスと言う。パケットロス発生の要因は様々だが、例えばネットワーク回線が混雑していたり、パケットを受け取る機器の性能が極端に低い場合などが考えられる。また日本国内と海外間の通信のように、物理的に距離が離れている場合、パケットを中継する機器が増えるため、パケットロスは発生しやすいとも言われる。
パケットロスは、ある程度であれば発生してもリカバリーされるが、比率が高くなってくると、処理の待ち時間が増えたり、あるいは正常に完了しなかったりと、ユーザー側にネガティブな印象を与えてしまう。
パケットロスを抑制するには、機器の性能も重要だが、ネットワークの構成にも十分な注意が必要だ。業務で利用するデータセンターをユーザー拠点の近くに設置することも、通信距離を短くするという意味で有力な選択肢となる。