週刊データセンターWatch:

KDDIが東京都のデータセンター効率化促進事業に採択、水冷導入を加速
2025年7月22日 06:00
KDDI株式会社は、東京都が進める「データセンター高効率化実装促進事業」において、モデル事業実施者として採択されたと発表した。既存データセンターにおける水冷方式の導入検証などを今後加速させる。
東京都では2025年1月、都政にまつわる長期戦略「2050東京戦略」を公表。エネルギー効率の最大化に向けて、データセンターの省エネ化などを目指す「データセンター高効率化実装促進事業」を実施するとしていた。本事業では、先進的な事例に取り組む事業者に対し、1事業につき最大2億5000万円を上限に、都が経費の一部を負担する。
事業採択を受けてKDDIでは、同社の「KDDI Telehouse渋谷データセンター」で進めている水冷技術の導入検証を加速させると表明。また、2027年秋の開業に向けて建設中の「Telehouse TOKYO Tama 5-2nd」をはじめ、都内の各データセンターでも水冷技術の導入促進を図っていく。
データセンターを巡っては、AIの普及に伴う電力消費量増が大きな課題となっている。AIを稼働させるためのサーバー機器類は計算量が多く、高消費電力・高発熱の傾向に拍車がかかっていることが知られる。これらの効率的な冷却手段として水冷方式に注目が集まっており、各社が本格導入に向けた技術検証を急いでいる。