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国内ハイパーコンバージドシステム市場予測、2029年の市場は731億円規模に~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は23日、国内ハイパーコンバージドシステム市場予測を発表した。国内ハイパーコンバージドシステム市場の2024年~2029年における支出額の年間平均成長率は4.1%で、2029年の同市場の支出額は731億2200万円に達すると予測している。

 国内ハイパーコンバージドシステム市場の主要な成長要因としては、仮想化環境のモダナイゼーションや更改需要の継続と、プライベートAI基盤としての新たな需要の高まりを挙げている。

 国内市場の動向については、主要な仮想化ソフトウェアのライセンス体系やパートナー制度などの変更を受け、仮想化環境の再検討が進んでいると分析している。仮想化環境の更改や移行に関する方針は、企業や組織の従業員規模、産業分野によって異なっており、金融や官公庁に代表される大規模環境ユーザーと、中小規模環境のユーザーでは、機能、コスト、信頼性に対する要求や、移行の容易性が異なるという。こうした動向が、国内ハイパーコンバージドシステム市場の従業員規模別、産業分野別の予測に影響を与えるとしている。

 ただし、仮想化ソフトウェアを変更する場合でもハイパーコンバージドシステムを選択するケースも多いことから、国内ハイパーコンバージドシステム市場予測においては大きなマイナス要因にはならないと予測している。

 中長期的には、AI活用ビジネスへの転換とAIの活用範囲の拡大、組織固有のデータ活用の進展に伴って、推論を中心にオンプレミスやエッジへのAIワークロードの展開が拡大し、エージェンティックAIの普及は、AIインフラの多様化や複雑化を加速すると予測している。ハイパーコンバージドシステムは、AI開発基盤の前提となるコンテナプラットフォームを統合すると共に、オンプレミスやエッジ、さらにパブリッククラウドにわたるAIインフラを一元的に管理し、自律的な運用を実現する「プライベートAI」基盤の有力な選択肢の一つになるとしている。

 IDC Japan Infrastructure & Devicesのリサーチマネージャーである宝出幸久氏は、「ハイパーコンバージドシステムは、仮想化環境のモダナイゼーションの進展を背景に堅調な成長を続ける。さらに、エッジを含む専有型環境における「プライベートAI 」の統合基盤としての新たな需要も市場の成長を促進する要因となる」と分析している。

国内ハイパーコンバージドシステム市場 支出額予測:2024~2029年(出典:IDC Japan)