週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】ティア(tier)とは

 本来は「列」「段」「階層」などの意味だが、データセンター分野においては、データセンターの品質や付帯設備の格付けを示す。実際には「ティア1基準を満たす」などと表現される。

 格付けの基準は、さまざまな組織が制定している。特に著名なのは米国の民間団体である「Uptime Institute」によるもので、災害耐性や稼働信頼性などをもとに判定。「ティア1」が最も低く、「ティア2」「ティア3」「ティア4」の順に格付けが高くなっていく。

 しかし、Uptime Instituteによる基準はグローバルな運用が想定されており、日本の実情が考慮されていないと指摘されてきた。また日本においても、金融機関向けのFISC基準、JEITA基準などがすでに存在する。

 そこで、日本データセンター協会(JDCC)では、「データセンターファシリティスタンダード」を制定している。Uptime Instituteの基準を含む外国規格も参考にしながらも、地震リスクに対する評価、UPS(無停電電源装置)の信頼性などに関して調整が加えられている。ただし、格付け表記を低い方から順に「ティア1」から「ティア4」までの4段階としている点は共通となる。

 例えば「データセンターファシリティスタンダード」で「ティア4」に適合するためには、建物用途がデータセンター専用であることや、セキュリティ管理レベルについてはサーバー室に加えて敷地・建物・ラックも対象としていること、電気設備や空調設備についてはより高いレベルの冗長性が確保されていることなどが条件となる。