週刊データセンターWatch:

【データセンター用語集】閉域網とは

 インターネットには接続されていない、限られた利用者だけが接続できる通信ネットワークのこと。企業内のイントラネットも、インターネットに接続していなければ閉域網の一種と言えるが、一般的には大手の通信事業者らが構築する、大規模・広域なネットワークを指す。

 インターネットは普及率・汎用性・利用者数の多さといったさまざまな利便性の一方で、利用者が識別されていない(識別できるが手間がかかる)、どんな機器を経由して通信しているか分からないなどのデメリットがある。それゆえ、セキュリティへの配慮も必要になってくる。

 これに対して閉域網は、管理者によって回線品質や通信機器が管理されている。インターネットとも切り離されているため、セキュリティ的にはより安心して利用することができる。

 閉域網を東京・大阪間のような広域で構築する場合、最も初歩的なのは、拠点間に物理的なケーブルを敷設する方法である(専用線接続)。しかし数百キロメートル超のケーブル敷設には莫大なコストがかかるため、通信事業者があらかじめ敷設した回線を使う「広域イーサネット」「IP-VPN」などの方法が普及している。

 また、従業員が会社のネットワークに接続するために用いる「L2TP/IPsec」「PPTP」などの各種VPNは、閉域網に接続するための技術である。