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肥大化するファイルサーバー管理の3つの課題、その解決の極意を訊く!コスト&運用工数削減のポイントとは?

 多くの企業や自治体、教育機関で利用されているファイルサーバー。そこに格納されるファイルの容量は増加の一途をたどっており、増加率は年間で1.55倍、5年間で9倍の容量にもなると言われている(※1)。こうしたファイルサーバーの肥大化はすでにさまざまな課題を生んでいる。今回はその現状と具体的な課題解決策について、日本電気株式会社(以下、NEC)に話を聞いた。

従来の管理方法では対応が厳しいファイルサーバーの3つの課題

 ファイルサーバーの容量肥大化が進む現状について、NEC AIプラットフォーム事業部 主任の町田渉氏はその課題をこう指摘する。

 「ファイルサーバーの容量が足りなくなってきた、ではどうしようとなった時に、取りあえずストレージを増やせば良いと考えられがちです。しかし、ストレージを増やすにはハードウェアのコストがかかるのはもちろん、装置が増えれば故障のリスクも高まります。なにより、単に容量を増やすだけでは管理者の方の運用管理工数やセキュリティリスクも増大する一方です」(町田氏)。

NEC AIプラットフォーム事業部 主任 町田 渉氏

 ファイルサーバーの管理は従来、手作業で行われることが多かった。それは、データが肥大化を続ける昨今でもあまり変わらないのが現実である。NEC AIプラットフォーム事業部の赤石 萌香氏は次のように語る。

 「管理者が表計算ソフトや紙で管理をし、なんとか回っているというケースもよく見受けられます。ファイルやフォルダの整理、アクセス権の変更、運用ルールの徹底など、さまざまな課題に頭を痛めている管理者の方が多いと感じます」(赤石氏)。

NEC AIプラットフォーム事業部 赤石 萌香氏

 赤石氏はファイルサーバーに関する課題を大きく3つ挙げる。1つは、ゴミ箱状態のファイルサーバーをいかに見える化して容量を削減するかという「肥大化」の課題。さらに、個人情報を含むファイルの扱いやアクセス権を管理する「セキュリティ対策」の課題。そして、いかに運用管理工数を軽減するかという「業務効率化」の課題だ。

 これらファイルサーバーにまつわる課題をまとめて解決するのが、NECのファイルサーバー統合管理ソフトウェア「NEC Information Assessment System(以下、NIAS)」である。

利用状況が一目瞭然に、整理効果のシミュレーションも

 ファイルサーバーにはさまざまなファイルが格納されている。その中には長期間未参照・未更新のファイルや、重複するファイルなども多く格納されているはずだ。そうした「放置されている」ファイルを整理すれば肥大化に歯止めを掛けられる。そのためにまず必要となるのは、ファイルサーバーの「見える化」である。

 NIASはグラフィカルなユーザーインターフェイスを装備し、直感的にファイルサーバーの状況を細かく把握することが可能だ。

NIASのインターフェイス。Webブラウザからアクセスしてファイルサーバー内のさまざまな情報を見える化する

 NIASの画面上で未更新や未参照、重複ファイルといった条件を設定して、整理対象となるファイルを簡単にリストアップし、整理した際の効果をシミュレーションすることもできる。

条件を組み合わせたクロス集計も可能。整理対象となるファイルをリストアップし、整理した場合の容量削減効果もシミュレーションできる

 また、NIASでは独自のメモリデータベース技術による高速分析が可能だ。20億ファイル(1PB相当)の大規模容量のファイルサーバーでも数秒で高速にファイル検索を行える。

ファイル整理により、平均で約3割もの容量削減効果を実現

 見える化して不要なファイルが見えるようになったら、次は整理だ。ファイルサーバーの運用管理で手間が掛かるのはこの段階で、なにしろ管理者だからといって、ユーザーのファイルを勝手に消してしまうわけにはいかない。

 NIASでファイルを整理するにあたっては、1)ユーザー確認による整理、2)ポリシー設定による自動整理、といった2通りの運用方法がある。整理方法は消去だけでなく、アーカイブ領域への移動や圧縮など、柔軟な指定が可能となっている。

 「ユーザーに整理をお願いする場合には、対象となるファイルの一覧を、NIASの画面で確認いただき、整理を実施してもらいます。管理者の工数だけでなく、ファイル整理を行うユーザーの工数も軽減するのが、NIASの特徴です」(赤石氏)。

 そして、運用ルールやポリシーにのっとった整理を自動化する機能も、NIASの大きな特徴だ。なかなか整理してくれないユーザーがいる場合にも、ファイルサーバー整理のルールを適用することで自動的な容量削減が可能になる。

 こうしたNIASの見える化および整理・容量削減の機能は、特に導入当初のインパクトが非常に大きいという。

 「お客さまにもよりますが、NIASを導入することでおおよそ3割の容量削減効果が見られます。近年ではファイルサーバーをクラウドに移行されるお客さまも増えていますが、NIASでファイルを整理、容量を削減した上で移行されるケースも増えています」(町田氏)。

 例えば、国内大手食品メーカーのA社では、NIASを用いてオンプレミス環境のファイルサーバーを整理・容量削減し、その上でクラウドへの移行を順次実施。約半年をかけて13拠点、計17台のファイルサーバーの移行を完了した。NIASでの調査により多くの重複ファイルが発見され、移行前に比べて容量を約2割削減できたという。

アクセス権設定から個人情報保護まで充実のセキュリティ対策機能

 アクセス権の設定は、ファイルサーバーにおける極めて基本的なセキュリティ対策だ。管理ツールを使わずに表計算ソフトなどでアクセス権を管理しているケースも多く見られるが、これは面倒なばかりか、作業ミスを引き起こしやすくなってしまうため、できればツールを使って簡略化していきたいところだろう。

 NIASでは、こうしたアクセス権の設定もきちんと見える化することができる。ツリーからワンクリックで該当フォルダのアクセス権を確認・把握でき、変更内容を確認しながらアクセス権の設定が可能だ。

 アクセス権の設定はスケジューリングにも対応するため、例えば、人事異動や入社の多い4月1日に慌てて手作業で変更するのではなく、あらかじめ設定を入力しておくことも可能になっている。

アクセス権の管理インターフェイス。フォルダごとにアクセス権を一目で確認できる

 「ほかにも、Everyoneフルコントロールなど、不適切なアクセス権が付与されているフォルダを見える化する機能などもあります。NIASでは、手作業での管理では難しかった不適切なアクセス権を定期的にチェックし、かつそれらを一括して修正することができます」(赤石氏)。

 そしてもう1つ、セキュリティ対策でNIASの大きな特徴となるのが「個人情報検出」の機能である。改正個人情報保護法を持ち出すまでもなく、昨今では個人情報の保護は企業や組織にとって必須となっている。

 「NECの独自技術により、個人情報を含むファイルを見える化した上で、危険度の判断をアシストします。お客さまからのご要望も多く、好評を得ている機能です」(赤石氏)。

個人情報を含むファイルを見える化し、是正処置により情報漏えいリスクを低減

 単に個人情報の件数だけでなく、検出された情報にアクセス可能なユーザー数も確認でき、悪用されるリスクの高い個人情報を優先的に検出できるのが、NIASの個人情報検出機能の特徴だ。

 例えば、「氏名だけが10,000件含まれるファイル」と「氏名・住所・電話番号・メールアドレスのセットが500件含まれるファイル」の2つが存在する場合、どちらのファイルを優先的に対応すべきだろうか。

 正解は後者からということになるが、NIASはこうした危険度や情報漏えい時のリスクを優先的に検出し、対応をアシストする。検出したファイルは隔離フォルダで自動的に暗号化するなど、適切な対策を行うことができる。

ファイルサーバー運用を効率化する多様なオプションや連携ソリューション

 NIASには、運用管理の効率化を支援する機能として、最新のバージョン4.1からエージェントを利用した多拠点のファイルサーバー管理機能が追加されている。

 「例えば、工場や拠点を全国に有している企業では、その拠点ごとにファイルサーバーを運用しているケースも多くあります。遠隔拠点にあるファイルサーバーも、エージェントを導入することで本社からの一元的な管理、高速な検査を実現できます」(町田氏)。

 そのほかにも、AD連携によるアカウント管理機能や、ストレージ連携によるフォルダ作成、アクセス権を含めた申請承認ワークフロー機能など、多様な管理機能が用意されているのもNIASの特徴となっている。

 加えて、NECではNIASによるファイルサーバー運用の効率化をさらに進めるべく、他社サービスとの連携ソリューションにも注力している。

 NIASのバージョン4.1から、Box社の提供するクラウドストレージ「Box」との連携が可能となっている。オンプレミスのファイルサーバーを見える化・整理した上で、重要なファイルはオンプレミスに残しつつ、社外で共有が必要なファイルをBoxへ自動に移行するといった、ファイルごとの保管・運用場所の最適配置が可能になっている。

 「今後はクラウドの活用もますます進んでいきますので、お客さまのニーズに対応しながら、連携ソリューションの拡大にも力を入れていきます」(町田氏)。

 なおNIASはBox以外にも、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azure、NEC Cloud IaaSといったクラウドにも対応済みだ。

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 ここまで、ファイルサーバー管理の課題を解決するNIASについて説明してきたが、NECでは、NIASの特徴についてさらに詳しく紹介する無料セミナーを定期的に実施している。

 ファイルサーバーの管理に課題を抱えている方は、ぜひ一度参加してみてはいかがだろうか。

ファイルサーバー肥大化・セキュリティ対策セミナー

https://jpn.nec.com/nias/sales/event.html

※1:NEC調査 50企業/団体の統計値より