特別企画
Universal Windows AppsやOSの一部無償化で逆襲なるか? Build 2014からMicrosoftの戦略を見る
(2014/4/8 06:00)
Windows Runtime BrokerでWin32 APIと連携
さらに、地味だが大きな改良としては、Windows Runtime Brokerがある。今までのModernアプリは、サンドボックスで動作するため、デスクトップのWin32APIや.Net Frameworkと連携することはできなかった。しかし、Windows 8.1 Updateでは、ModernアプリとデスクトップのWin32 APIや.Net Frameworkと連携するための、専用のBrokerが用意された。
今まで、Modernアプリがサンドボックスで動作していたのは、デスクトップ環境と切り離すことで、アプリの安定性やPCやタブレットの耐障害性を高めようという考え方のもとで、だった。しかし、Modernアプリと既存のデスクトップ環境が連携できないため、Modernアプリの種類が増えなかった。Win32 APIや.Net Frameworkで作っていたアプリケーションほどの自由度がWinRTにはない、ということもその理由の1つだろう。
しかしWindows Runtime Brokerでは、Modernアプリのサンドボックスに、制御された形でデスクトップ環境とのインターフェイスを設けた。これにより、メインのロジックやデータベースなどは、既存のデスクトップ環境でプログラミングし、ModernアプリはUIを担当するといったプログラミングが可能になった。
特に、既存のアプリケーションをタブレットなどのタッチ対応にするに、メインのロジック部分はそのまま利用し、UIだけをModernアプリに変更する、といったことも可能になる。
なお基調講演では、Windows 8.1 Updateの次アップデートで、Modernアプリをデスクトップのウィンドウで動かしたり、スタートボタンにプログラムメニューを表示したりする機能が追加されることも明らかにされた。Microsoftでは、これらの機能が次期WindowsといわれるWindows 9の機能とは表明しておらず、今後、徐々に情報を公開していくものと思われる。
次期DirectX 12は2015年末のリリースになると考えられているため、もしかすると、メジャーアップデートとなるWindows 9は、DirectX 12と同じタイミングとなる2015年末、もしくは2016年になるのかもしれない。
ちなみにWindows 8.1 Updateでは、動作環境のチューニングが行われたことで、1GBのメインメモリ、16GBのストレージで快適に動作するようになった。
今まで、このハード要件がWindows 8を動かす最低条件だったため、ある程度快適に動かすには、もう少しメインメモリやストレージが必要だった。しかし、Windows 8.1 Updateにより、最低スペックのタブレットやPCでも快適な動作が期待できる。