特別企画

仮想環境に特化して設計された新世代ストレージ「Tintri VMstoreシステム」【前編】

仮想化時代を支えるTintri独自のアーキテクチャについて

データ重複排除とデータ圧縮によってフラッシュ領域の利用効率を高める

 Tintriは、実効容量33.5TBのVMstore T650、同13.5TBのVMstore T540、同13.5TBのVMstore T620を提供している(2014年2月現在)。そして、内蔵ドライブの構成は、T650が480GB SSD×9台と3TB HDD×15台、T540が300GB SSD×8台と3TB HDD×8台、T620が240GB SSD×6台と1TB HDD×18台となっている。

 実効容量に対するフラッシュ領域(RAID 6構成に基づく実質的な容量)の割合は、これらのドライブ構成から算出すると、T650が10%、T540が13.3%、T620が7.1%である。たったこれだけの容量比率でホットデータの99%以上をフラッシュ領域に配置できるのは、Tintri独自のシステムアーキテクチャによるところが大きい。

 VMstoreは、データ重複排除とデータ圧縮をインラインで実行することにより、限られた容量のフラッシュ領域を効率よく活用している。顧客のシステム環境にもよるが、データ重複排除とデータ圧縮の効果はどちらも1.5~2倍程度になるという。つまり、双方のデータ削減機能を同時に利用することで、フラッシュ領域を3~4倍の実効容量にまで広げられる。しかも、数多くの似通った仮想マシンが同居する仮想環境では、コールドデータの割合も極めて多く、フラッシュ領域にほとんどのホットデータが集まるというわけだ。

 Tintri, Inc. VP, Engineering & Global SupportのPratik Wadher氏は、「VMstoreに高度なインテリジェンスを与えているのが、Tintri独自のストレージOS『Tintri OS』です。Tintri OSは、高度なワーキングセット分析によって、限られた容量のフラッシュ領域にできる限り多くのホットデータが配置されるようにします。しかも、仮想環境からストレージシステムを利用する場合、ストレージとやり取りされるデータの半分以上が仮想マシンに関連するメタデータです。Tintri OSでは、メタデータをできる限りフラッシュ領域に配置することで、HDDベースの領域に負担をかけないようにしています」と説明を加える。

 なお、Tintriは、フラッシュ領域の利用効率を高めるだけでなく、フラッシュ領域そのもののパフォーマンス向上にも力を入れ始めている。例えば、従来のモデルはフラッシュ領域としてSATA接続タイプのSSDを採用してきたが、最新モデルのT650では、より高速なSAS接続タイプのSSDに切り替えている。

 Wadher氏は、「仮想マシンからのアクセスがフラッシュ領域に集中する関係から、フラッシュ領域自体のパフォーマンスを高めていくことが極めて重要になります。将来的には、PCI Express接続タイプのフラッシュストレージやフラッシュ技術に最適化されたNVM Expressプロトコルの採用なども前向きに検討します。これにより、それぞれの仮想マシンに対するストレージ性能が向上するとともに、1台のVMstoreに収容可能な仮想マシンの台数もさらに増やしていけると考えています」と述べている。

Tintri VMstoreシステムのラインアップ(出典:ティントリ)。VMstoreは、実効容量33.5TBのT650、同13.5TBのT540、同13.5TBのT620という3モデルが提供されている。T650とT540は大規模仮想化エンタープライズ環境、T620は中規模およびリモート、支社などのオフィス環境に適したモデルとなっている。従来はT540しか選択肢がなかったが、2013年第4四半期から4世代目のプラットフォームとなるT650とT620が追加された。なお、T540は旧モデルとなるが、引き続き販売される

(伊勢 雅英)