特別企画
仮想環境に特化して設計された新世代ストレージ「Tintri VMstoreシステム」【前編】
仮想化時代を支えるTintri独自のアーキテクチャについて
(2014/2/20 06:00)
SSDとHDDを組み合わせたハイブリッド型の構成をとるVMstore
最近では、超高速のストレージシステムを実現するために、フラッシュメモリを活用したソリューションが急増している。アクセス性能を徹底的に追求するならフラッシュメモリのみを搭載したピュアフラッシュストレージがベストといえるが、それでは多くの仮想環境で求められるコスト削減の課題に応えられない。
そこでVMstoreでは、フラッシュメモリとHDDを併用するハイブリッド構成が採用されている。VMstoreは、RAID 6によってデータが保護された複数台のSSDによって超高速のフラッシュ領域を確保している。そして、HDDからなるディスク領域もまたRAID 6によるデータ保護を行い、筐体内のドライブのうち同時に2台が故障してもデータを損失しないように設計されている。さらに、ドライブからのあらゆる読み込みに対してエラーの検出と自己回復をリアルタイムで実行するとともに、バックグラウンドプロセスが定期的に検証を行うことでデータ全体の整合性を確保している。
通常、フラッシュメモリとHDDを組み合わせたストレージ製品では、フラッシュメモリをHDD領域の高速キャッシュとして活用するケースが一般的だが、VMstoreはSSDからなるフラッシュ領域をフロントエンドに据え、仮想マシンに対してあたかもピュアフラッシュストレージであるかのように振る舞うのが特徴だ。
基本的には、アクセス頻度の高いホットデータをフラッシュ領域に置き、アクセス頻度が低いコールドデータをHDD領域に待避させる形がとられる。VMstoreは、仮想マシンが頻繁にアクセスするホットデータの99%以上をフラッシュ領域に格納できることから、実質的にピュアフラッシュストレージに匹敵するアクセス性能を達成している。
同社は、このような仕組みを『Tintri FlashFirstデザイン』と呼んでおり、基礎技術の特許もすでに取得済みだ。例えば、同社の米国特許「Hybrid file system for virtual machine storage」(公告番号US8463825 B1、公開日 2013年6月11日)がインターネット上で入手可能なので、興味がある方はぜひ目を通してみていただきたい。