特別企画
Webスタンダードを積極的にサポートするMicrosoft Edge
Windows 10 Anniversary Updateでの強化点を見る
2016年7月11日 06:00
企業にとってEdgeは使いやすいか?
WebスタンダードをフルサポートしたEdgeだが、企業にとっては歓迎されているとは言いがたい。これは多くの企業が、独自規格をサポートしていたIEに向けて社内サイトを構築していたため、Edgeでそのまま利用できないからだ。
Microsoftでは、今後Webスタンダードの環境が広がっていくことを前提に、企業でもEdgeへと移行してほしいと訴えている。ただ、一気にEdgeベースのWebサイトの構築などが行えるわけではないので、当面はWindows 10にIE11を搭載して、古い社内サイトはIE11を使ってほしいとしている。
このため、EdgeにはIE11を起動する機能が用意されている。アクセスしてみて、Webサイトの表示などが行えなかった場合は、そのWebページをIE11で表示する機能が用意されている。
ただ、ユーザーが明示的にIE11を起動する操作などを行う必要があったため、Windows 10を利用している企業ユーザーのほとんどが、最初からIE11を利用していた。
IE自体は、機能追加などは行われず、主にセキュリティホールへの対策だけを行うメンテナンスモードになっている。将来的には、IE自体がWindows 10にバンドルされないようになるだろう。
IEで唯一機能強化が行われているのが、Enterprise Modeだ。XMLファイルで登録したサイトをIE11で表示するのか、IE8などの古い互換モードで表示するのかなどを管理していた。このXMLファイルのスキーマをバージョンアップして、EdgeとIEでEnterprise Modeで使用するXMLファイルを共有することができるようにする(IE側からは、Enterprise ModeのXMLファイルをアップデートする必要がある)。
Enterprise ModeのXMLファイルを作成するEnterprise Mode Site List Managerも新しいXMLスキーマに対応したバージョン2がリリースされている。
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企業ユーザーからブラウザのひんぱんなアップデートは嫌われるが、現状でEdgeはChromeやFirefoxのように十分な機能と管理性を持っているわけではない。ほかのブラウザに匹敵するまでは、Edge自体のアップデート頻度を上げて、ユーザーにとって満足いく機能がそろった段階で、アップデート頻度を下げてもいいのかもしれない。
IEと比べて使いにくいというのが、コンシューマユーザーを含めてEdgeを利用しない理由となっているため、できるだけEdgeユーザーの数を広げていくことが、企業でのEdge利用の比率を上げることにつながるのだろう。