特別企画
Webスタンダードを積極的にサポートするMicrosoft Edge
Windows 10 Anniversary Updateでの強化点を見る
2016年7月11日 06:00
WebスタンダードをサポートするEdgeHTML
MicrosoftはEdgeを作る上で、HTMLレンダリングエンジンはWebスタンダードに従い、独自規格を作らないことを目指している。また新機能に関しては、できるだけW3Cなどに規格を提案して、スタンダード化されたモノをサポートするようにしている。これは、HTMLレンダリングエンジンだけでなく、JavaScriptエンジンに関しても同じだスタンスだ(一部、規格化途中のモノをサポートしているが)。
面白いのは、ChromeやFirefoxとの互換性を高くするために、動画コンテナフォーマットのWebM、動画コーデックのVP9、音声コーデックのOpusをサポートしていることだ。ある意味スタンダードになった規格は、ライバル会社のモノでも積極的にサポートしていくというスタンスに変わっている。
これ以外には、ブラウザ上で音声合成を行うW3CのWeb Speech Synthesis Markup Language、Web通知機能(Web Notifications)、ブラウザのFetch(フェッチ)処理を行うFetch API(Service Workerコンポーネントの一部を先取りして搭載)、Beacon API、WOFF2.0、High Resolution Time Level 2などのサポートが行われる。
JavaScriptエンジンに関しては、一層のパフォーマンスの向上を目指している。Microsoftのベンチマークでは、JavaScriptエンジンのChakraがほかのブラウザのJavaScriptエンジンよりも高い性能を示している。
各社がブラウザのアップデートすれば、ベンチマークの結果も変わってくる。ただ、Microsoftのスタンスとしては、Chakraエンジンが常にトップスコアがとれるようにチューニングしていったり、高速化の新たなテクノロジーの採用などを行っていくと明言している。例えば、今回のChakraエンジンでは、ECMAScript2015のサポートやECMAScript2016の一部の機能をサポートするなどしている。
特にChakraに関しては、オープンソースのChakraCoreにフィードバックされているため、将来的には、オープンソースのChakraCoreを使用したサードパーティのブラウザが出てくるかもしれない。
レンダリングエンジンのEdgeHTMLに関しても、現状ではオープンソース化されていないが、将来的にはオープンソース化される可能性は否定できない。