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SAPジャパン、SAP HANAの最新版「SPS11」を提供

 SAPジャパン株式会社は10日、インメモリプラットフォームの最新版となる「SAP HANA SPS11」を提供開始すると発表した。

 SAP HANAのクエリエンジンは、ストリームデータ、系列データ、グラフデータといったあらゆるデータを処理することによって、未知のパターンやトレンドの発見を可能にするが、SAP HANA SPS11では、70を超える予測解析アルゴリズムを提供。ライブストリームや系列データ、地理空間情報データにも新たに対応した。これらのアルゴリズムは、機械学習やプロセスの自動化に対応している。また、SAP Manufacturing Integration and Intelligence(MII)およびSAP Plant Connectivity向けのアダプタを提供し、作業効率の改善に寄与するとした。

 地理空間情報機能では、地理空間情報データのパーティショニングとクラスタリングに対応する。この強化により、例えばリバースジオコーディング機能によって、ピンポイントの緯度経度情報から特定の住所情報を取得できるようになったため、災害の影響分析やヘルスケアリスクの対応といった用途への活用が期待できるとしている。なお、SAP HANAはOpen Geospatial Consortium(OCG)の認定を取得しているので、サードパーティ製地理空間情報アプリケーションとのデータ交換を容易に行えるとのこと。

 また、テキスト分析とセンチメント分析の機能を拡張。文節間のコンテキストにおける関係性を識別するなど、APIを経由して、アプリケーションからオンデマンドでテキスト分析の呼び出しが行えるようになった。これにより、非構造化データからのインサイトの獲得を可能にするという。

 システム構成の面では、Webサーバーのアーキテクチャが一新され、データベースサービスとは独立したスケール化が可能となったことで、オンプレミス、クラウドを問わず、スケーラブルなアプリケーションの開発を行えるという。JavaScriptはnode.jsに対応。オープンソースのコード管理ツールであるGit、GitHub、Mavenに対応し、開発プロセスの効率化も実現する。

 さらに、新しい高可用性機能と対障害性機能を提供する。ホットスタンバイ機能を利用することで、プライマリデータベースから継続ログリプレイによって、データが同期されているスタンバイデータベースへの切り替えを瞬時に実行可能。データベースダウン時のログとパラメータを分析する機能を用いることで、障害時点からの復旧を可能にし、データベース復旧時間を短縮するとのこと。

 対応プラットフォームとしては、新たにIBM Power Systemへのサポートを拡大。SAP Business Suite for SAP HANAおよびSAP Business Warehouse for SAP HANAスケールアウトシナリオ、本稼働環境での仮想化利用をサポートするとした。

 このほか、新たに提供するSAP HANA Voraコネクタによって、Hadoopにおけるデータ分析が効率化されるとしている。