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SAPジャパン、「SAP S/4HANA」最新バージョンを発表
(2015/11/13 06:00)
SAPジャパン株式会社は12日、ビジネススイート「SAP S/4HANA」の最新バージョンを発表した。
最新バージョンでは、デジタル変革を推進する企業を支援するためのロードマップの一環として、ミッションクリティカルなビジネスプロセスを含むコア部分でのシンプル化とイノベーションを実現する「SAP S/4HANA Enterprise Management」の提供を開始。これまで提供していた「SAP Simple Finance」による会計領域以外にも、営業、サービス、マーケティング、コマース、調達、製造、サプライチェーン、アセット管理、研究開発、人事といった、あらゆる業務部門のビジネスプロセスをカバーする。
また、「SAP S/4HANA Lines-of-Business」ソリューションも同時に発表。同ソリューションは、「S/4HANA Enterprise Management」ソリューションに含まれるデジタルコアの機能と、財務向けの「SAP Cash Management」や、人事向けの「SAP SuccessFactors」、調達向けの「Ariba Network」、マーケティングおよびコマース向けの「SAP hybris」といった、各業務部門向けのSAPのポートフォリオ(オンプレミスおよびクラウド)を結び付ける。
SAP SEエグゼクティブ・ボード・メンバーでプロダクト&イノベーション担当のベルント・ロイカート氏は、「コアを根本から完全に構築し直すことで、SAP S/4HANAがデジタルビジネスを実現するための業界初のデジタルコアとなりました。このデジタルコアを基盤として、企業の財務会計およびロジスティックスなどの業務オペレーションのコアとなる領域に革新的なユースケースを導入することで、シンプル化されたデータモデルと応答性の高いユーザーエクスペリエンスの力が存分に引き出され、かつてないビジネス価値を達成できます」とコメント。シンプル化とイノベーションの例として、以下のような項目を挙げている。
・新しい買掛金/売掛金コックピットを利用して運転資本を最適化
・シンプル化されたデータモデルで在庫管理のリアルタイム大量処理を実現し、緩衝在庫を圧縮
・在庫のリアルタイムでの可視性と品目フローに関する洞察力を向上
・品目フローの整流化により、製造サイクルタイムを短縮(MRP)
・製造指図のリアルタイム監視によってフローおよび重大な問題をチェックし、対応体制を強化
・部品の代替供給を簡単にシミュレーションでき、業務上の意思決定の質が向上
・アリバビジネスネットワークへの標準統合機能により、調達コストを削減
・ボトルネックや問題を瞬時に特定できる新しい受注コックピットで、カスタマーサービスを改善
SAPジャパンでは、SAPの基幹業務システム「SAP ERP」などの既存環境から、「SAP S/4HANA Enterprise Management」への移行を支援するサービスの提供を開始。サービスでは、SAPがグローバルで開発した導入方法論に則り、企画・構想フェーズから実行フェーズ、運用・改善フェーズに至るまでエンドツーエンドの支援サービスを提供する。
株式会社野村総合研究所は、「SAP S/4HANA Enterprise Management」をNRIセキュアテクノロジーズ株式会社に導入し、同社の業務システムを刷新すると発表した。日本で初めての同製品の導入プロジェクトになるという。
野村総合研究所 ERP事業部長 寺田洋氏は、「SAP HANAの先行導入者として、私たちはインメモリプラットフォームがもたらすビジネスへの効果を感じてきました。S/4HANAのスコープが拡張されてきている今、私たちはグループ会社の会計、販売、サプライチェーンなどの領域のビジネスプロセスがS/4HANAによってシンプル化できることをとても楽しみにしています。SAP Fioriの直感的なユーザーエクスペリエンスにより、私たちのグループ会社やお客様のビジネスをデジタルトランスフォーメーションする際にS/4HANAは大きな効果を持つことになると考えています」とコメントしている。