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ニュータニックス、スケールアウト型仮想インフラを体験できる無償ソフト「Community Edition」

仮想環境構築用アプライアンス「VCP」の試用やアプリ開発に利用可能

 ニュータニックス・ジャパン合同会社(以下、ニュータニックス)は28日、同社が提供する仮想化環境構築用アプライアンスのソフトウェア版となる「Nutanix Community Edition」(以下、Community Edition)を発表した。開発や検証などに利用でき、ニュータニックスのコミュニティ「NEXT」に登録すれば、無償でダウンロード可能という。現在はクローズドβテストを行っている段階で、6月9日にパブリックβ版を提供する予定。

 ニュータニックスでは、コンピューティングリソースとストレージが一体化され、容易に数百台規模までスケールアウト可能な仮想環境構築用アプライアンス「Nutanix Virtual Computing Platform(VCP)」を主力製品として提供している。

 今回発表されたCommunity Editionは、一般的なx86サーバーを利用して、このNutanix VCPの環境を簡単に試せるようにするソフトウェア。ディザスタリカバリなど一部機能が制限されているほか、限定された拡張性しか持たないが、ユーザーは、製品の機能を評価したり、管理性を確認したり、Nutanix VCP上で動作するアプリケーション、サービス、ユーティリティを開発したり、といったことが可能になる。

Community Editionの管理画面
Community Editionの特徴と制限

 同社がこうしたソフトウェア製品を提供するのは今回が初めてで、米Nutanix ソリューションマーケティングディレクターのサチン・チェダ氏は、「当社ではAPIをオープンにしているので、ぜひ、このCommunity Edition上でスクリプトやアプリケーションなど、ソリューションを開発していただきたい」と呼びかけた。

 利用にあたっては、ダウンロードしたソフトウェアイメージから起動用のUSBメモリを作り、そこからx86サーバーに展開する。サーバーは、4コア(VT-xサポートが必須)、16GBメモリ、200GB SSD、500GB HDD、インテルNICが最低必要となるが、一般的なx86ハードウェアで利用可能。ハードウェア互換リストも提供される。

米Nutanix ソリューションマーケティングディレクターのサチン・チェダ氏
Community Edition導入のイメージ

 本来は最小3台から数百台規模にクラスタを拡張できるNutanix VCPとは異なり、スタンドアロンでの利用か、3台/4台のx86サーバーをクラスタ化することしかできないほか、利用可能なハイパーバイザーはKVMに限定される(製品版ではVMware、Hyper-Vなどにも対応)。

 また、本番環境での利用自体は制限されないものの、「100%コミュニティからのサポートになるため、検証や開発で利用することを強く推奨する」(ジェダ氏)とのことだ。

石井 一志