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早大の自律移動型環境モニタリングロボットにIoTクラウド基盤「SensorCorpus」を採用

WAMOT

 株式会社インフォコーパスは19日、IoTクラウド基盤「SensorCorpus(センサーコーパス)」が、早稲田大学高西淳夫研究室の自律移動型環境モニタリングロボット「WAMOT」のクラウド基盤として採用されたと発表した。

 SensorCorpusは、同社が開発した簡単・安価・セキュアなセンサー用クラウド基盤。さまざまなセンサー情報をクラウド上に集約・活用・管理できる。利用者はセンサーデータをクラウドに送信・蓄積し、ビジュアル表示・閲覧、ダウンロードなどを行えるほか、センサーやゲートウェイなどの認証にも利用できる。

 今回、このSensorCorpusをロボット研究者向けのデータ蓄積・可視化・分析用プラットフォームとして提供することに。その第1弾として、早大高西研が自律移動型環境モニタリングロボット「WAMOT」のクラウド基盤として採用し、2015年2月に接続を開始した。

 WAMOTは、自律的に判断しながら屋外を移動し、搭載した環境センサーで周囲の状況をモニタリングしていくロボット。森林・山間部・農地などにおいて、野生動物の生息状況、大気・土壌・水の汚染などに関するセンシング情報を得てマップを作成していく、といった利用方法が考えられるという。

 今回はデータ送信の中継器となるゲートウェイとして、オープンソースハードウェア「Arduino」を使用(マイクロコンピュータ「Raspberry Pi」も現在試験準備中)。WAMOTが取得した温度やGPSデータをクラウド上にアップロードする実験に成功した。

 今後はロボットが取得する周囲の情報(外界センシング)だけでなく、ロボット自体の挙動に関する情報(内角センシング)のデータも、SensorCorpusに蓄積する予定。これにより、ロボット本体と環境の相互作用についても、SensorCorpus上で一元的に可視化・分析することが可能となる。また、SensorCorpus上にさまざまな分析エンジンや人工知能を搭載・共有することで、複数のロボットが自律強調してミッションを遂行できるように取り組みを進める。

 SensorCorpusは現在、大手デバイスメーカー、機器メーカー、エレクトロニクス商社など複数の顧客のIoTソリューションに組み込まれ、稼働しているという。加えて、ロボットのデータ収集・分析・フィードバックを行い、クラウドを利用した自律協調型ロボットのプラットフォームをめざすとしている。

SensorCorpusのイメージ

川島 弘之