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DMM.comのネットワーク処理能力が限界に、ジュニパー製品が救う

 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は14日、「DMM.com」のシステム運営・開発、ネットワークインフラを提供する株式会社DMM.comラボのネットワーク基盤に、ジュニパーのファブリック製品群を導入したと発表した。

 DMM.comでは、動画のオンラインストリーミングに始まり、ゲームやECなど、各種のサービス展開や縮退に伴う拡張と変更を繰り返してきた結果、最大100Gbpsを越えるトラフィックがありながらも、ネットワークがつぎはぎ状態になっていたという。また、収容すべきフルルート数も増加の一途をたどっていたため、コアルーターの処理能力も限界に近づいていたことから、ネットワーク全体の見直しが必要とされていた。

 こうしたネットワークの再構築にあたり、DMM.comラボではジュニパーのコアルーターとファブリック製品群を選択。コアルーターに「MX480」を、MX480に接続するコアファブリックとして「QFX3000-M」を採用した。

 「QFX3000-M」のQFabricシステムは、複数のQFXスイッチを統合することにより、1台の仮想的なスイッチとしてファブリックを構成。これにより、高速・広帯域でありながら柔軟かつ管理性の高いネットワーク構成を実現した。

 エッジファブリックには、EXシリーズイーサネットスイッチの「EX4200」と「EX4550」を採用。こちらも複数のスイッチをまとめて1台の仮想的なスイッチとして扱える「バーチャルシャーシ」を構成することで、ネットワークをシンプル化。一部のネットワークにおいては、ダークファイバーを介してデータセンターをまたいだバーチャルシャーシも構築した。

 このようなネットワークの再構築の結果、DMM.comラボは基盤となるネットワーク構成の大幅な簡素化を実現することに成功した。「QFabric」や「バーチャルシャーシ」などのファブリック製品を採用したことで、複数の機器に個別に設定を行う必要がなく、同時に管理機器台数が少なくなり管理負荷が軽減されたことにより、運用コストも削減されたという。

 DMM.comラボのリサーチ・アドミニストレータの村田篤紀氏は、「複数のQFXスイッチを統合して仮想的に1台のスイッチとして管理する構成で、主要なサービスをワンホップで接続し、広帯域・低遅延でサーバー間通信できる環境を構築できた。論理的なネットワーク構成がシンプルになり、性能面でも管理面でも格段に使いやすいインフラに生まれ変わった」とコメントしている。

三柳 英樹