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ジュニパー、DC向けスパインスイッチやコアルータなど3分野で新製品を発表

 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は25日、スイッチング、ルーティング、セキュリティの3分野において新製品を発表した。

 ジュニパー 技術統括本部・加藤浩明統括本部長は、「当社が、毎年発表している新製品のなかでも、今回の新製品は、革新的なものである」と位置づけた。

 スイッチングの新製品としては、データセンター向けスパインスイッチ「QFX10000シリーズ」、イーサネットファブリック技術「Junos Fusion」を発表した。いずれも、ジュニパーの次世代クラウドデータセンター向けアーキテクチャ「MetaFabric」に、新たに追加されることになる。

 QFX10000シリーズは、他社に比べて2.5倍の密度を実現する10Gigabit Ethernet(GbE)/40GbE/100GbEのポート密度、高いパフォーマンスや総合的なシステム拡張を提供している。固定設定の2ラックユニットのフォームファクタで提供する「QFX10002」は、業界最高密度の100GbEコンパクト・スパインスイッチで、同一スイッチ内で、40GbEから100GbEへのシームレスなアップグレードを可能にする。競合製品に比べて、2~4倍のシステム、5~10倍の論理拡張性を持つとともに、効率的なネットワーク設計と運用管理費の削減を行うという。さらに、モジュール式の8スロットのシャーシによる「QFX10008」、16スロットシャーシによる「QFX10016」も用意している。

 またJunos Fusionは、ジュニパーが提供してきた、QFabric SystemやVirtual Chassis Fabricといったソリューションが持つ柔軟性、拡張性、管理用容易性といった価値を、オープンな標準化技術により提供する、新たなアーキテクチャと位置づけた。ネットワーク全体の整合性を実現し、データセンター全体を、個々のネットワーク要素ではなく、単一のネットワークとして管理する。

スパインスイッチをファミリーに追加、新たなデータセンターファブリックアーキテクチャも
ジュニパー 技術統括本部の加藤浩明統括本部長

 コアルーティングプラットフォームの新製品としては、「コンバージド・スーパーコア」を発表した。

 新たなカスタムシリコンの採用や、パケットトランスポートルータ「PTXシリーズ」のシステム容量のアップグレード、拡張されたSDN機能などにより、予測できないほどの爆発的な帯域幅への需要に対しても、より優れた接続性を提供できるという。

 「ジュニパーは、1998年に『Mシリーズ』という第1号ルータ製品を発売して以降、革新的な製品を出してきたが、今回の製品は、ルーティングにおいて、再び革新を届けるものになる」とコメント。新たな専用チップセット「EXPRESS PLUS」を搭載しており、「1チップで500Gbpsのパフォーマンスを持ち、将来の標準化を見据えた400GbEにも対応可能であることから、当面、われわれはリーダーである続けることができる」とした。

 一般的なチップセットに比べて16倍のルーティングテーブルを持つほか、x86と比較して40倍の性能を持つとのことで、従来のExpressチップセットに比べ、4倍のパフォーマンスと、3倍の効率性を実現したという。さらに、NORTHSTARコントローラを進化させ、「マルチネットワークレイヤ・コントロールを実現する初のSDNコントローラになる」とした。

コンバージド・スーパーコア
PTXシリーズの強化や新たな専用チップセット提供などを実施

 セキュリティにおいては、サービスゲートウェイ「SRX5000シリーズ」のパフォーマンスを大幅に向上させる新機能「Express Path」を発表した。

 スループットを1TB/秒に引き上げるとともに、レイテンシを80%削減。モバイルインフラとデータセンターネットワーク間にある大量のデータトラフィックの管理を行える。

 さらに、仮想ファイアウォール「vSRX(旧名称:Firefly Perimeter)」を、AppSecure 2.0へ対応することも明らかにした。「VLAN単位でのセキュリティ管理から、アプリケーション単位でセキュリティ管理が可能になる。防御の単位を小さくすることで、きめ細かな防御線を実現できる」。

セキュリティ関連の新製品

 なお加藤統括本部長は、「2020年には、76億のインターネットユーザーが存在し、260億台ものデバイスがつながることになる。そして、これらは、24時間365日休むことなく、トラフィックを発生させることになる。当然、いまのインフラでは立ちいかなくなる。ジュニパーネットワークスは、チップセット、全体システム、ソフトウェアの3つの分野に開発投資を続けていき、価値のあるイノベーションを提供することが役割である。ネットワークにつながる、すべてのものにパワーを与えるものを、今後も継続的に提供することになる」と語った。

大河原 克行