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日立がコンテナ型データセンターを拡充、「可搬型最大級」と「ASEAN向け」

 株式会社日立製作所(日立)および株式会社日立システムズは24日、コンテナ型データセンターのラインアップ拡充を発表した。国内市場向けに公道で運搬できるコンテナ型データセンターとしては最大級の2モデルを追加するとともに、東南アジア諸国連合(ASEAN)市場向けにISO規格に準拠した可搬型モデルを開発し、いずれも25日より販売する。

 国内市場向けには、公道で運搬できる幅3m×長さ約9mの「可搬型シングルタイプ」と、幅約2.4m×長さ約12mのコンテナ2本を現地で連結する「可搬型ダブルタイプ」を開発した。トレーラーで運搬が可能。可搬型の従来モデルと比べて「可搬型シングルタイプ」は約1.7倍の床面積28.3平方メートルで最大8ラック、「可搬型ダブルタイプ」は約4.3倍の床面積72.5平方メートルで最大22ラックを搭載でき、可搬型として「国内最大級」(日立)のコンテナ型データセンターとなる。空調、電源、監視カメラ、温度・湿度センサーなどの環境監視機器を搭載する。

 これによりラインアップは、中小規模の可搬型3モデル、大規模の「可搬型シングルタイプ」「可搬型ダブルタイプ」、サイズやレイアウトを柔軟に設計でき大規模にも対応する「フレキシブルデザインコンテナ」の計6モデルとなり、小規模から大規模まで幅広いニーズに対応できるとのこと。

「可搬型シングルタイプ」「可搬型ダブルタイプ」

 ASEAN市場向けには、日立グループ初の海外市場対応コンテナ型データセンターとして、ISO規格に準拠した幅約2.4m×長さ約12mの「ASEAN向け(40ft)タイプ」を開発した。現地の販売パートナーを通じて、タイから販売開始し、順次販売対象国を拡大する。

「ASEAN向け(40ft)タイプ」

 なお、「可搬型シングルタイプ」「可搬型ダブルタイプ」については、NICTのビッグデータ利活用研究開発基盤用として採用された。NICTは、スマートICTサービスの実証を大規模広域で行うセンシング・ネットワーキング・コンピューティング設備の試験用システムを整備するとともに、M2Mセンサネットワークから生成される膨大な非構造化データの蓄積・分析に関する研究開発を行うための大規模コンピューティング拠点として利用する計画で、2014年2月に設備が完成する予定。

川島 弘之