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「Surface RT」で高齢者の健康管理・孤立防止、札幌市内で実証実験

マイクロソフトや札幌市立大などが共同で

Surface RT

 公立大学法人札幌市立大学、AVCテクノロジー株式会社、株式会社コーポレーション・ミヤ、日本マイクロソフト株式会社は共同で、都市部における高齢者の孤立防止と健康管理をICTで支援するシステム「E-KURASHI(イークラシ)」を開発、2年後の実用化を目指して、札幌市内のマンション居住者を対象とした実証研究を、11月より開始すると発表した。

 E-KURASHIは、札幌市立大学を中心とする異分野融合チーム(看護とデザイン)が2009年~2012年に開発した遠隔看護システム「E-KANGO」を基盤に開発。ユーザーはマイクロソフトのタブレット「Surface RT」にインストールされた専用のWindows 8アプリに、体温・体重・服薬など日々の健康状態をタッチ操作で入力していくだけで、健康状態をセルフチェックが可能。入力されたデータはクラウドソリューション「Microsoft Dynamics CRM Online」に蓄積される。システムについての相談など、タブレットを使用したビデオ通話も簡単に行えるという。

 今後は、入力されたデータを医療スタッフが定期的にチェックしてユーザーの健康状態を把握、病気の早期発見や健康維持につなげることや、医療スタッフとのビデオ通話で健康相談を行うことを想定している。

 このシステムを使った実証研究を2013年11月より4者共同で開始。琴似再開発地区のマンション住民に対してSurface RTを貸出し、E-KURASHIを試用してもらってフィードバックを得る。札幌市立大学は研究総括および学術的見地(看護学とデザイン学の視点)からの実験実施・分析を担い、AVCテクノロジーはシステム設計を担当する。マイクロソフトは端末とクラウドソリューションを実証研究期間中無償で提供し、実験場である琴似に位置するコーポレーション・ミヤが実験参加者との調整、実験場の提供を担当する。

 2014年度中には実証研究の成果をまとめ、2015年のサービス実用化を目指す方針。なお、同研究は公益財団法人北海道科学技術総合振興センターの「平成25年度イノベーション創出研究支援事業」の補助を受けて実施される。

川島 弘之