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Talend、最新版「Talend v5.3」の説明会を開催~Hadoop関連機能を強化
(2013/5/24 06:00)
Talendは5月23日、オープンソースのデータ統合・連携ソフトウェア最新版「Talend v5.3」の最新版の説明会を開催した。合わせて、日本の現地法人となるTalend株式会社の新代表取締役に就任した有延敬三氏の紹介も行われた。
Talendはオープンソースのデータ連携プラットフォームで、データ連携、データクオリティ管理、マスターデータ管理(MDM)、エンタープライズサービスバス(ESB)、ビッグデータ用ソリューション、データ変換用ETL(抽出、変換、ロード)などのソリューション群からなる。製品はオープンソースの無償版と、管理機能などを強化した有償の商用サブスクリプションがある。オープンソース版はすでにダウンロード可能となっており、商用サブスクリプションは6月に提供を開始する。
Talend v5.3では、ビッグデータ関連の機能を強化。データ統合ソリューションを100%Hadoopへシフト可能で、データ統合ジョブをすべてクラスタスケールのMap Reduceジョブで移行させることが可能となり、スケーラビリティが向上したという。
Talendでは、2013年からインテグレーションに関するスケールアップをしていくとして、5.3では、1)統合可能なデータ量の拡大。従来は時間内に処理しきれなかった量を5.3で処理可能に、2)管理するデータのバラエティに関しても選択の範囲が広がった、3)技術者の持っているスキルの3つのスケールアップを行ったと説明した。
Talend v5.3 では、Hadoopのコードをネイティブに生成し、Hadoop環境内でデータ変換処理を実行することで、最大のスケーラビリティを発揮。データ統合・連携処理の開発者は、MapReduceアーキテクチャを高度に分散化されたデータ処理に向けて利用することで、特別なプログラミングスキルを必要とすることなく、Hadoop上に該当ジョブを構築することができるという。
Talend Big Data 5.3では、Hadoopサポートディストリビューションが拡張され、新たにAmazon Elastic MapReduceをサポートした。なお、Apatch Hadoop、Cloudera CDH、MapR、GreenPlumは5.2ですでにサポートされている。NoSQLサポートも、5.2までのCassandra、MongoDB、Hbbase、Google BigQueryに加えて新たにCouchBase、CoudhDBおよびNeo4Jをサポートした。また、クラウドDWH基盤として、Amazon Redshiftを新たにサポートした。
またTalend Big Data 5.3では、Pig言語によるビジュアルマッピング処理機能を新たに搭載。HDFS内のHive/HCatalogテーブルやファイルのルックアップや、ネイティブPig Latin言語やユーザー定義ファンクションによる変換処理、式ビルダによるPig Latin言語の記述が可能になったほか、Pig Latinベースのユーザー定義巻数(Pig UDF)もサポートした。
Pig言語をターゲットにした新しいグラフィカルマッピング機能によるビジュアルなマッパーを利用することで、ソースデータの抽出および変換などのデータフローを、グラフィカルに構築することができる。Pig Latin に馴染みのあるHadoopの開発者であれば、GUI環境を用いてハンドコーディング不要で、データ処理のためのジョブを短期間で開発・テストし、レビューを実施することができるという。
Talend株式会社の新代表取締役に就任した有延敬三氏は、インテグレーションの市場が伸びてきており、その背景にはビッグデータとBIの市場伸長があると述べ、そうした中で、Talendはオープンソースであり、サブスクリプションモデルであるため、導入のハードルが低いとTalendのアドバンテージを強調。「今後クラウドビジネスを展開するにあたり、ライセンス形式はなくなりはしないが縮小していくものと考えている」として、オープンソースでありサブスクリプションモデルのTalendはフランス生まれで、海外では多数の実績があると述べた。
課題としては日本での認知度がまだ低い点を挙げ、パートナー企業とともに顧客のソリューション提供を実現していきたいと述べた。Talendが提供する範囲は狭いので、パートナー企業が持つさまざまなソリューションやハードウェアを組み合わせて売る形になるとした。
発表会にはゴールドパートナーであるウルシステムズ株式会社代表取締役社長 漆原 茂氏も出席。漆原氏は、いままでのシステム開発のやり方やデータの持ち方が変わる。クラウドとビッグデータによって、いままではRDBMSに持てばよかったが、HadoopもNoSQLもRDBMSも従来型のRDBMSは持たない。データやソリューションの数が増えたことで、多くの技術者が必要な機能を実現するにはオープンソースが望ましいとした。インテグレーションについても、ハードウェアも含めて納品するといった形ではなくなる、日本のSIと言われる業界が変わらなければいけないと述べた。今後はクラウドを使いながらオンプレミスと一緒により生産性の高いシステムを作りあげていくことになるとコメント。そうした中で、Talendも新体制になり、よりいっそう日本の市場が盛り上がっていくだろうと期待を述べた。