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トレンドマイクロ、クラウド型セキュリティサービスを本格展開

「Trend Micro Security as a Service」として全世界共通ブランド化

 トレンドマイクロ株式会社は6日、企業向けクラウド型セキュリティサービスを本格的に展開すると発表した。全世界共通ブランドとしてクラウド型セキュリティサービス「Trend Micro Security as a Service」を新たに立ち上げるとともに、パートナーの販売を支援する体制を整備し協業を強化。2016年までに年間売上45億円を目指す。

「Trend Micro Security as a Service」として統一ブランド化

 トレンドマイクロでは、2008年にクラウド型メールセキュリティサービス「Trend Micro Hosted Email Security」、2010年にクラウド型URLフィルタリングサービス「Trend Micro InterScan WebManager SCC」とクラウド型エンドポイントセキュリティサービス「ウイルスバスター ビジネスセキュリティサービス」を提供している。

 これらを包括的なサービスとしてブランド化し、サービスラインアップを増強したのが「Trend Micro Security as a Service」となる。

サービス一覧
クライアント(PC)向けの「Webセキュリティ」概要

 サービス提供分野は「クライアント(PC)」「サーバー」「モバイルデバイス」。すでに提供中のサービスとして、全分野向けにクラウド型の「ウイルス・スパイウェア対策」「Webレピュテーション」を、クライアント(PC)向けにゲートウェイ型の「メールセキュリティ」「URLフィルタリング」を展開している。

 2013年度第3四半期からは、クライアント(PC)向けの「Webセキュリティ」を新サービスとして提供。クラウド上に配備された管理サーバーやWebレピュテーションによって、エンドユーザーのウイルス・スパイウェア対策、危険なWebサイトへのアクセス制御を実現するもの。単に不正なURLを遮断するだけでなく、例えば、YouTubeで動画の視聴は許可するが、アップロードは禁止するといったように機能単位で制御する「Webアプリケーション制御」も実現する。

 同じく2013年度第3四半期より、モバイルデバイス向けに、リモートロック・ワイプ、GPSによるデバイス追跡、パスワード制御を行う「デバイス管理」や「URLブラック/ホワイトリスト」といった新サービスを提供する。

 これらによりウイルス対策からWebセキュリティ、モバイル機器の管理まで網羅したサービス群をクラウド型として提供する方針だ。

パートナー支援施策も強化

 パートナー支援施策も強化する。具体的にはサービスパートナー向けに用意されたオンライン管理システム「Trend Micro Licensing Management Platform(LMP)」を提供。パートナーはこのシステムを使ってライセンスの即時発行ができるため、顧客に対して迅速なサービス提供が可能になる。

 同システムでは、ライセンスの即時発行のほか、パートナーごとにカスタマイズ可能なコンソールとして、顧客情報の集中管理、レポートおよび在庫管理、二次パートナーの登録・管理といった機能が利用できる。

 また、「Trend Micro Availability Service(TMAS)」として、パートナー向け技術支援も展開。パートナーが顧客から問い合わせや被害復旧依頼を受けた際、セキュリティの専門知識を持ったトレンドマイクロのエンジニアが24時間365日体制でパートナーを支援するというもの。

 執行役員 エンタープライズマーケティング部長の新井一人氏は「クラウド型サービスをベンダー自らが提供し、既存のパッケージ製品を取り扱っていただいている既存パートナーと競合化するケースもあるが、当社はそうはしない。クラウド型サービスを本格的に開始しても、パートナーのビジネスの保護を第一に考える」と、パートナーとの協業を深める意思を明確にした。

 現在、一次代理店は、NTT Com、大塚商会、OKIなどの13社。パートナーとともに市場を盛り上げ、2016年までに「Trend Micro Security as a Service」全体で年間売上45億円を目指す。

一次代理店一覧
執行役員 エンタープライズマーケティング部長の新井一人氏

(川島 弘之)