日立、データセンター間のリモートバックアップに適用可能なWAN高速化装置


 株式会社日立製作所(以下、日立)は15日、WAN高速化製品のラインアップを強化すると発表した。その第1弾として、通信事業者やデータセンター、クラウド事業者などに向けた「日立WANアクセラレータ リモートバックアップモデル」(以下、リモートバックアップモデル)を11月19日に発売する。


「日立WANアクセラレータ」シリーズの適用領域日立WANアクセラレータ リモートバックアップモデル

 「日立WANアクセラレータ」は、WAN回線の物理帯域を最大限に活用できるようにするアプライアンス製品。自社の独自アルゴリズムを用いてパケットの廃棄率やその変化を測定し、WAN回線の空きをリアルタイムに推定しながらそこに流れるデータ量を決定することで、物理帯域を最大限に活用できる。

 今回発表された「リモートバックアップモデル」は、高速転送処理部とインターフェイス部から構成される新モデル。WAN高速化機能を高速転送処理部に持たせることで、TCPセッションあたりの転送性能を従来の300Mbpsから1Gbpsに向上させているのが特徴で、1TBのデータ転送時間を、製品未導入時と比べて約26倍に高速化できるという。

 また、こうした特性を生かすことにより、高価な専用線から広域イーサネットなどの低コストでパケット廃棄率の高い回線に切り替えても、高速なリモートバックアップを実現できるため、回線費用の削減が可能になるとしている。

 価格は、国内向けの「日立WANアクセラレータ GX1000 リモートバックアップモデル」の場合、最大TCPセッション数2000、最大転送容量1Gbpsで4305万円から。

 なお日立は今後、第2弾として10M~100Mbpsの通信帯域を対象にした「オフィスモデル(仮)」の製品化も予定する。この製品は、データセンターとオフィス間の通信を高速化する用途に適しており、データセンターにあるCADデータ、eコマース、金融機関のデータベースといった大容量データを、各拠点から高速に参照できるようになるとのことだ。販売開始は2013年度上半期の予定。

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