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日立、小規模拠点向けのWAN高速化アプライアンス~データセンター向けの新モデルも

日立WANアクセラレータ オフィスモデル

 株式会社日立製作所(以下、日立)は12日、ネットワーク高速化アプライアンス「日立WANアクセラレータ」のラインアップに、小規模拠点向けの「日立WANアクセラレータ オフィスモデル」を追加すると発表した。また、国内データセンター間の高速バックアップを実現する従来モデル「リモートバックアップモデル」では、国内と海外のデータセンター間にも適用可能な新モデルを提供する。

 「日立WANアクセラレータ」は、WAN回線のTCP通信そのものを大幅に高速化し、企業の複数拠点間のデータ通信速度を向上させるネットワーク高速化装置。従来のTCP通信では、WAN回線上で発生する往復遅延時間やパケット廃棄により、TCPセッションあたりの転送性能が大きく低下してしまうが、この製品では、独自アルゴリズムでTCP転送性能の低下を最小限に抑え、WAN回線の物理帯域を最大限に活用できるので、キャッシュ技術では困難な、日々更新される大容量データの転送時間短縮を可能にしているという。

 今回発表された「オフィスモデル」は、従来の「ハイエンドモデル」では300MbpsだったTCPセッションあたりの転送性能を30Mbpsまでとすることで、支社/支店、開発拠点といった比較的小規模な拠点に適用可能とした。また、オプションライセンスを購入すれば、TCPセッション性能と転送容量を最大50Mbps、最大100Mbpsへと段階的に拡張することもできる。

 日立では、例えばデータセンターに「ハイエンドモデル」を設置し、国内外の小規模な拠点に「オフィスモデル」を設置するといった利用法を想定しており、これによって、データセンター内に保有する大容量データを、各拠点から短時間で参照・更新可能になるとした。

 一方「リモートバックアップモデル」では、従来最大1Gbpsだった最大TCPセッション性能を150Mbpsに制限したモデルをラインアップすることで、価格を抑え、国内と海外のデータセンター間のバックアップにも適用可能とした。こちらも、オプションライセンスの追加購入により、TCPセッション性能と転送容量を最大300Mbpsへアップグレードできる。

 価格は、「オフィスモデル」が840万円から、新しいリモートバックアップモデルが2415万円から。それぞれ、10月31日、9月17日からの出荷を予定している。

(石井 一志)