日本アバイア、コンタクトセンター向け製品を強化~ビデオやスマホへの対応を強化


 日本アバイア株式会社は1日、スマートデバイスからのビジュアルな問い合わせ対応を可能にするコンタクトセンターソリューションを発表した。コミュニケーションプラットフォーム「Avaya Aura」を中核に、ビデオ通話を可能にする「Avaya One Touch Video」、モバイルデバイス向けの「Avaya Customer Connections Mobile」、ソーシャルメディア上の声を収集する「Avaya Social Media Manager」などを組み合わせて提供する。

 このうちAvaya One Touch Videoは、企業の顧客がPCなどのWebブラウザを利用して、企業のコンタクトセンターとのビデオ通話を行えるようにする製品。ビデオ通話以外にも、通話までの待機時間にビデオを見せたり、オペレーターから適切な資料を提示したりすることもできる。

 また、顧客側はプラグインをインストールする必要はなく、例えば企業のWebサイトに設けられた問い合わせようのリンクをクリックするだけでビデオ通話を開始できる手軽さも特徴。さらには、インターネット(IP)経由でのビデオ通話を行うことから、企業側には通信コストを抑えられるメリットもある。

 日本アバイア ソリューションマーケティング UCソリューションマネージャーの山本契氏は、「コンタクトセンターでは音声、メールは当たり前だが、音声を使っていた方がビデオを好む傾向がある。(ビデオなんて)使っている人がいないのではないか、と考えがちになるものの、ニーズは増えているジャンルだ」と、ビデオソリューション提供の利用を説明。その上で、「ビデオでは相手の表情が見られるため、例えば謝罪でも本当に謝っているかどうかがわかりやすく、運営側の透明性という意味でもよいのではないか。顧客満足度の向上では大きな意味がある」と述べた。


Avaya One Touch Videoの特徴Avaya One Touch Videoのシステム構成
Avaya Customer Connections Mobileの概要

 2つ目のAvaya Customer Connections Mobileは、顧客の持つスマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスを用いて、コンタクトセンターとやり取りできるようにする製品。自動音声応答装置(IVR)などを用いて電話対応するのではなく、企業が提供するスマートデバイス向けのアプリで、顧客がコンタクトセンターとやり取りできるようにする。

 このメリットは大きく2つ。顧客側にあらかじめ不具合の内容などを入力してもらうことで、オペレーターが状況に対する予備知識を得やすくなるほか、顧客側に概算の待ち時間を表示したり、指定した時間にコールバックする、といった対応が可能になるので、オペレーターにつながるまでのストレスを軽減できるという。さらに、アプリが位置情報を取得して最寄りの修理スタッフを派遣する、といった対応も可能になり、サービスレベルの向上も期待できる。

 最後のAvaya Social Media Managerは、SNS上での声を拾い、あらかじめ定義しておいた優先度に従って、拾いたい発言を適切により分けてくれる製品。従来はTwitter、Facebookに対応していたが、YouTube、RSSフィードなどを新たにサポートしている。

 なおこれらの製品を提供する意義について、代表取締役社長のロバート・スチーブンソン氏は、「本当の意味でのデジタル世代が登場し、そうした層ではコミュニケーションツールの変化が起きているので、今までと違うアクセスを提供する必要がある。また、サービスレベルを維持するだけでなく、ネガティブな情報が流れ始めた時に、どうスピーディに対応するかという点も、今まで以上に重要視しないといけない」と話す。

 また、「当社の製品は、共通のSIPプラットフォームであるAvaya Aura上で動いているので、既存の投資を無駄にしない。その強みを生かしながら、コンテキストリッチなソリューションを提供する」ともアピールしていた。


代表取締役社長のロバート・スチーブンソン氏トレンドとコミュニケーションの進化に対応するのが、今回の新製品だという
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(石井 一志)
2012/8/2 11:40