ノベル、Linuxカーネル3.0を採用した「SUSE Linux Enterprise 11 SP2」


SP2での機能強化

 ノベル株式会社は26日、Linux OSの新版「SUSE Linux Enterprise 11 Service Pack 2(以下、SP2)」を同日より提供開始すると発表した。

 SP2では、新開発手法である「Forward-Looking Development」を採用したのが最大の特徴。従来の開発手法では、カーネルの変更はメジャーバージョンアップ時のみに限られており、サービスパックでは最新カーネルの機能をバックポートする形で実装していた。これに対してForward-Looking Developmentでは、最新のLinuxカーネル、ライブラリ、インターフェイスを、フォワードポートを主体とした開発手法と組み合わせることで、かつアプリケーションの互換性を確保しつつ、よりひんぱんにカーネルをアップデートできるようになったという。

 今回のSP2では、その活用によってLinuxカーネルが従来の2.6.32から3.0へ変更され、スケジューラおよびメモリ管理の最適化、Transparent Huge Pageのサポートによるアプリケーションのパフォーマンス向上、ネットワークの負荷分散といった機能を新たに搭載した。さらに、インテルのSandyBridgeやRomley、AMDのBulldozer、IBMのPower 7などの最新ハードウェアをサポート。CPU/メモリのオフライン化など、新たなハードウェアRAS機能にも対応している。

 これについて、ノベル SUSE事業担当 シニアマネージャーの山崎正広氏は「お客さまはカーネル3.0のメリットをすべて得られ、またカーネルが変更されながらもアプリケーションの互換性は当社が担保する。単なるメンテナンスのアップデートからはずれて新機能を提供できる」と、今回のアップデートについてアピールした。


Forward-Looking Developmentノベル SUSE事業担当 シニアマネージャーの山崎正広氏

 またSP2からは、スナップショット機能を持つBtrfsファイルシステムをサポート。YaSTおよびZypperの両管理ツールと、Btrfsのスナップショット管理ツールのSnapperが統合され、システム変更後のロールバックに対応した。これにより、誤ったシステム変更や管理者の人為ミスからも容易にロールバックが可能になっている。加えて、SUSE Linux Enterprise 10からのアップグレードも自動化された。

 このほか仮想化関連では、コンテナ型の仮想化機能であるLinux Containers(LXC)をサポートし、小さなオーバーヘッドで高いパフォーマンスを得られるようになった。

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(石井 一志)
2012/3/27 06:00