富士通とFJM、中堅向け業務アプリケーション「GLOVIA smart」の新版

クラウド対応も強化、月額ライセンスを提供


FJM ソリューション事業本部 渡辺雅彦副本部長

 富士通株式会社と富士通マーケティング株式会社(以下、FJM)は6日、中堅企業向けの業務アプリケーション「GLOVIA smart 会計」「同 人事給与」の新版「同 V4」を、6月末より提供開始すると発表した。

 GLOVIA smart 会計/人事給与は、中堅企業を主な対象とした業務アプリケーション。「当社の中堅のセグメントとしては年商30億~300億円程度を中堅としているが、管理会計、特に業績管理をしっかりやりたいという指向のお客さま、グループをまたいだ人材管理をやりたいといったお客さまに適しており、1000億円程度の企業でも利用されている」(FJM ソリューション事業本部 渡辺雅彦副本部長)という。

 このうちGLOVIA smart 会計の新版では、まず、財務会計と管理会計の一元管理という点を強化。迅速な経営判断を支援するための会計専用データウェアハウス(FDWH)を拡充しており、全15種類の拡張情報を残高管理できるようにした。

 また、経理の部門システムとしてだけ利用するのではなく、経営層から現場のマネージャーまで広く活用してもらえるよう、ユーザーライセンス制を廃止。「現場で使うということは、見やすさや運用しやすさが要求される」(FJM ソリューション事業本部 GLOVIA smart事業部 共通業務ソリューション部長の石川博章氏)ことを考慮し、多角的分析を可能にするData View、必要な帳票を作成できるツールなどを新たに提供する。

 さらに、IFRSアドプション対応も行われた。FDWH内に日本基準仕訳とIFRS基準仕訳との複数帳簿を格納できるようにしており、IFRS基準の仕訳データが必要になれば、ユーザーに負担を掛けずに切り替えられるという。


単なる経理システムではなく、全社システムとしての利用を目指すというIFRSアドプションに向けたベース機能強化

 一方のGLOVIA smart 人事給与の新版では、グループ会社での効率的な人事給与業務の運用を支援する機能を搭載。グループ間の各社をまたがった転籍・出向管理、社員情報の一元管理機能や、給与計算・年末調整などの一括処理機能を提供し、さまざまな形態でのグループ会社運用を支援する。


グループ会社の運用を支援する新機能を搭載

 また今回は両製品において、ニーズが広がるクラウド・仮想化環境への対応も行った。具体的には、クラウド・仮想化環境でのシステム運用基盤構築が可能になったほか、クラウド向けの月額課金でのライセンス提供を開始している。

 加えて両社は、「導入時の一括費用をできるだけ抑えるとともに、運用フェーズに入った際のお客さまの負担を減らすことが求められている」(石川氏)ことを受け、テンプレートの活用による導入期間の短縮と、保守運用サービスを提供するとのこと。テンプレートについては、パッケージ機能の7割を占める共通部分をテンプレート化し、従来比最大で約5割の導入期間を削減するとした。


富士通、FJM、パートナーのIaaS基盤を活用したクラウドサービスでの提供を行う予定テンプレートの活用による導入機関の短縮保守運用サービスの例

 価格は、GLOVIA smart 会計のパッケージ版が150万円(税別)から、月額版が5万5000円(税別)/月から。GLOVIA smart 人事給与は、パッケージ版が130万円(税別)から、月額版が4万7700円(税別)/月から。

 なお富士通とFJMでは、全国の中堅民需営業をFJMに集約。FJMが中堅民需市場の攻略責任と、ソリューション製品の企画・開発機能を持って、同市場への取り組みを進めていく方針だ。

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(石井 一志)
2012/3/6 14:44