オラクル、マーケ効果を最大化する情報基盤スイート「WebCenter」


執行役員 ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括 Fusion Middleware事業統括本部長の桐生卓氏
WebCenterは、ユーザー・エンゲージメントのための企業向けシングルプラットフォーム

 日本オラクル株式会社は16日、マーケティング効果と業務生産性を向上するスイート製品「Oracle WebCenter」を発売した。

 同社はこれまで、CMSや企業の共有ワークスペース、コンテンツ管理基盤などのソフト製品を、「Oracle Enterprise 2.0」のブランドの下、二十数製品に分けて提供してきた。昨今、社内外のユーザーとの関係を効果的に深化させたいというニーズを受け、これら既存製品のコンポーネントを整理し、2011年7月に買収した旧Fatwire SoftwareのCMS製品も統合したのが、今回のOracle WebCenterだ。

 企業内にはファイルサーバー、CRM、ERPをはじめさまざまなデータソースが存在する。それを利用するフロントエンド側もWeb、ダッシュボード、スマートデバイスなど多様化が進んでいる。Oracle WebCenterは、その間で情報の橋渡し役となり、「必要なユーザーに」「必要な情報を」「適切な手段で」「タイムリーに」提供する企業向けの情報基盤になる。ここでいうユーザーとは「企業内の従業員、取引先の関係者、一般消費者のことで、企業を取り巻くあらゆるユーザーとのエンゲージメントを実現する」(執行役員 ソフトウェアライセンス事業 製品事業統括 Fusion Middleware事業統括本部長の桐生卓氏)という。

 具体的には、ユーザーのWebエクスペリエンスを管理する「WebCenter Sites」、企業ポータル「WebCenter Portal」、コンテンツライフサイクルを管理する「WebCenter Content」、企業内ソーシャル・コミュニケーション基盤「WebCenter Social」で構成される。

 WebCenter Sitesは、オンラインマーケティングの企画・展開・ターゲット設定・効果測定を行う。Webサイトを訪れたユーザーの行動やプロファイルに応じて、関連する最適な情報をダイナミックに提供。「プロファイルが明らかな会員サイトはもちろん、プロファイルを明らかにする前のユーザーに対しても、Web上の行動から最適な情報を提供できるのが特徴だ」(Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進本部 シニアディレクターの清水照久氏)。

 WebCenter Portalは、多岐にわたるバックエンドアプリケーション・サービス・情報ソースから業務遂行に望ましい形でデータを表示する。作業環境のカスタマイズ、検索機能、コンテンツへのタグ付けなどにより新たなワークスタイルを実現するという。

WebCenter Sitesの概要WebCenter Portalの概要

 WebCenter Contentは、ドキュメント・動画・Webページなどのコンテンツを一元管理する。各業務プロセスにおいて最適な情報へのアクセスを定義し、業務アプリケーションの状況に応じてコンテンツを管理。紙の資料を電子化し、業務プロセスへ組み込む処理基盤も提供するという。

 WebCenter Socialは、企業内コラボレーションを実現する。業務プロセスやアプリケーション内を流れる情報を把握し、チーム内で共有するためのソーシャルメディアを提供する。必要な情報のみを選別する仕組みが特長で「ノイズのないエンタープライズ・ソーシャル・ネットワーキングを実現する」(同氏)としている。WebCenter Socialについては、今後「Oracle Public Cloud」のサービスとして提供を予定する。

WebCenter Contentの概要WebCenter Socialの概要

 利用にはそれぞれ「プロセッサライセンス」と「Named User Plus(NUP:指名ユーザー)ライセンス」の購入が必要。NUPライセンスは、オラクル製品に対して使用する権利を与えられた個人が何名いるかによって価格を設定するもの。

 価格は、WebCenter Sitesが1086万9600円/プロセッサ、21万7400円/NUP。WebCenter Portalが1358万7000円/プロセッサ、27万1700円/NUP。WebCenter Contentが1875万円/プロセッサ、37万5000円/NUP。WebCenter Socialは未定。WebCenter Sites/Portal/Contentをパッケージ化した「WebCenter Suite Plus」が2173万9100円、43万4800円。

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