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日本オラクル、スマートデバイス対応を強化した「Oracle WebCenter」新版

 日本オラクル株式会社は18日、企業内の非構造化データを管理するソフトウェア製品群「Oracle WebCenter」の新版を、同日より提供開始すると発表した。

 「WebCenter」は、企業内に存在する非構造化データを適切に管理・活用するための製品群。非構造化コンテンツを格納する統合リポジトリの「WebCenter Content」と、Web CMS(コンテンツ管理システム)の「WebCenter Sites」、企業ポータルを構築する「WebCenter Portal」といった3つの製品から構成される。

 Fusion Middleware事業統括本部 WebCenter&BPM営業部の酒井拓也部長によれば、その特徴は、「コンテンツを統合的に管理しつつ、そこで管理される同じコンテンツを外向け、企業内向けに利用する、シングルリポジトリ、マルチユースを実現する」点で、それぞれの製品だけでも利用できるものの、組み合わせることでさらなる価値を発揮できるとする。

「Oracle WebCenter」の3つの製品
Fusion Middleware事業統括本部 WebCenter&BPM営業部の酒井拓也部長

 今回の新版では、それぞれの製品でモバイル対応が強化されている。まず「WebCenter Sites」では、モバイル管理オプションによりモバイルユーザー向けのWebサイトを容易に作成・管理できるようになった。例えば、マルチデバイスプレビュー機能を利用すると、PC上でiPadやiPhone、Androidといったデバイスごとの画面イメージを見ながら、コンテンツの編集や修正を行える。

WebCenter Sitesの強化点
モバイル管理オプションが提供される

 「WebCenter Portal」でも、デバイスごとに最適化された専用ページをWebブラウザで作成したり、作成したページをWebブラウザでプレビューして確認したりすることができる。さらに「WebCenter Content」では、iOS/Androidデバイス向けのローカルアプリを提供し、外出先などからでも、共有されているコンテンツの検索、閲覧、ダウンロードなどを容易に行えるようになった。

 またモバイル対応以外の強化も実施されている。各製品とも、ユーザーインターフェイスを改善したほか、「WebCenter Sites」では、YouTubeなどの外部コンテンツリポジトリとの連携機能を強化。さらに、訪問者をより関連性の高いコンテンツへ誘導するため、パーソナライズと検索機能を拡充している。

モバイル端末ごとに専用ページを構築できる、WebCenter Portalの新機能
WebCenter Contentではモバイルアプリを提供

 価格は、「WebCenter Sites」が217万4000円(税別)から、「WebCenter Portal」が271万7000円(税別)から、「WebCenter Content」が375万円(税別)から。このほか、3製品をすべて含むスイート「WebCenter Suite Plus」が434万8000円(税別)からとなる。

 なお日本オラクルでは、「WebCenter Sites」をWebエクスペリエンス管理製品と位置付けており、これによって同市場をけん引したい考え。酒井部長は、「当社のCustomer Experience(CX)などの製品と組み合わせて、デジタルマーケティング市場で求められる最高のソリューションを提供したい」と、その狙いを話す。

 また、プライベートクラウド型のCMSを提案し、場所やデバイスを選ばず、企業コンテンツへスムーズにアクセスできることの価値も訴求するほか、BPM(ビジネスプロセス管理)ソリューションとの連携で、モバイルデバイスを活用したワークスタイル変革を支援するとも述べた。

石井 一志