新宿区、160拠点を結ぶ庁内情報基盤ストレージにEMC「VMAX」を採用


 EMCジャパン株式会社は21日、新宿区が「EMC Symmetrix VMAX(以下、VMAX)」ストレージを導入したと発表した。本庁舎・分庁舎を含む約160拠点をネットワークで結ぶイントラネットを刷新し、安定した庁内業務と行政サービスを提供するための仮想IT基盤を構築した。

 新宿区では、平成15年から全庁的なイントラネットを構築している。本庁舎/分庁舎と約160拠点にのぼる区の機関をカバーする情報基盤だ。平成22年からは「区民サービスの向上」「業務の合理化・高度化」「業務継続性の確保」の観点から新たなイントラネットの構築に着手。そのインフラにおいては仮想化技術を活用し、ハードウェアとアプリケーション/OSが分離することで、システムライフサイクルの長期化を図った。

 その際にネックとなったのがストレージ。ユーザー・データ増によるI/O遅延、二次バックアップに要する時間の長期化、障害時やディスク追加時のシステム一時停止などが課題となっていた。

 VMAXを選定した理由は、主に「可用性」「パフォーマンス」「マルチベンダー対応」だったという。EMC Symmetrix VMAXはコントローラ部分や電源を冗長化している。パフォーマンス面では、ファイルアクセスのリクエストを最適化する機能を搭載するほか、高度なEFD(エンタープライズフラッシュドライブ)も搭載できる。

 実際に新宿では、EFD/FC/SATAのドライブを用意し、サーバーの用途に応じて最適なものを利用。当初からサイジングやサーバーごとのディスクタイプの選択など事細かく設計したことで、ディスクI/Oを起因とする動作遅延はほとんど見られなくなったという。

 マルチベンダー対応も欠かせない条件だった。ハードウェアとソフトウェアを切り離している庁内情報基盤では、ストレージとサーバーの相互接続性が重要となる。例えば、次回導入されるサーバーがストレージと同じベンダーのものとは限らず、後に接続性の問題によってストレージが利用できないという事態も考えられる。VMAXでは、さまざまなベンダー製品との接続性について検証をパスしている。このため、拡張性の面でも安心感が得られ、将来も継続的に使い続けられると判断したという。

 新たなイントラネットでは、アクティブディレクトリをベースに、全庁レベルでユーザー・PCのオブジェクト管理やポリシー管理を実現している。今後は庁内に分散している個別ドメインもなくし、システムをさらに統合。最終的には個々のサーバー・PC・プリンタなどを統合するとともに、ユーザー管理・セキュリティ対策・バックアップ・障害監視・ハードウェア運用管理なども庁内情報基盤に一本化したいという。VMAXがその要となっている。

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