NEC、ビジネス向けの7型Androidタブレット「LifeTouch B」


「LifeTouch B」

 日本電気株式会社(以下、NEC)は9日、7型液晶を備えたAndroidタブレット「LifeTouch B」を発表した。参考価格は3万円台後半だが、ソリューションの一部として提供されることを想定しており、一般量販店などでの小売りは予定されていない。

 「LifeTouch B」は、デュアルコアCPUの搭載によって基本機能を強化したAndroidタブレット。NECが提供するAndroid端末「LifeTouchシリーズ」は、2010年11月に発売されて以来、家庭内から業務用端末まで幅広い用途に利用されてきたが、さらに多様化するニーズに対応するため、ラインアップを拡充した。


「LifeTouch B」の商品コンセプト「LifeTouchシリーズ」のラインアップ

 液晶は800×480ドット表示可能な7型のタッチパネル(静電式)を搭載するが、同じ7型液晶を搭載する初代の「LifeTouch」と異なり、光沢型の液晶を採用。営業担当が外出先でプレゼンテーションをしたり、店頭で商品展示に利用したり、といったシーンへより適合できるようにした。また、ハードウェアのキーは搭載されないものの、約20%の小型化を実現している。

デュアルコアCPUを搭載

 CPUはデュアルコアのOMAP4430(1.0GHz)で、512MBメモリと内部ストレージ4GBを搭載する。インターフェイスはSDHCカードスロットを備えるほか、WiFiやBluetooth、赤外線通信、GPSなどに対応した。また背面には、500万画素のカメラ(オートフォーカス対応)も搭載される。

 サイズと重量は幅202.5×高さ121.8×厚さ11.9mm、約400g。IPX4相当の防滴性能を持つため、雨中や水まわりでの使用に対応するのに加えて、組み込み用途などでの利用も想定して、凹凸の少ないフラットなデザインを採用している。

 バッテリはリチウムイオンで、約8時間のバッテリ駆動を目標とするが、「LifeTouchシリーズ」では初めて、ユーザーによるバッテリ交換も可能にした。交換用バッテリはオプションとして販売されるので、外出先での予備としても利用できるという。

 このほか、8月に発売された「LifeTouch NOTE ビジネス向けモデル」「LifeTouch セキュリティパックモデル」と同様、法人での利用を想定したセキュリティ機能を搭載した。具体的には、IEEE 802.1x認証機能、無線LANのハンドオーバー機能、SDカード暗号化機能、サードパーティ製のVPNクライアントなどを利用できる。

 OSは、タブレット向けのAndroid 3.xではなく、「ビジネス用途では安心、安定した運用が求められるため、世界でもっとも実績のあるバージョンのAndroid 2.3を採用した」(NEC パーソナルソリューション販売推進本部の岡田靖彦本部長)。

 用途としては、既存の初代「LifeTouch」と同様、CATVと連携した家庭内端末から、ホームエネルギー・マネジメントシステム(HEMS)、企業での商品受発注端末、製造現場や消防・警察などでのデータ入力端末、医療・介護用の情報端末といった利用法まで、幅広く想定。「NECで取りそろえているクラウドなどのソリューションへ組み込むことにより、お客さまへ訴求したい」(岡田本部長)との考えを示した。

 「LifeTouchシリーズ」全体では、「東京ケーブルネットワークでは、CATVの端末として9月から実証実験として使ってもらっている。いろいろな企業の実証実験の手助けをすることで、(適応現場を)広げていきたい」としたほか、Androidアプリの開発パートナーとも共同で展開すると話した。NECでは「LifeTouchシリーズ」全体で、2012年度に100万台の販売を見込んでいる。

 なお、「LifeTouchシリーズ」を利用するソリューションは、11月10日~11日に開催されるNECのプライベートイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2011」(東京国際フォーラム)に多数展示される。


幅広い用途での利用を想定NEC パーソナルソリューション販売推進本部の岡田靖彦本部長
NECのプライベートイベント「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2011」でもさまざまな展示が行われる「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2011」の「LifeTouch」ブース
関連情報