NEC、Android端末「LifeTouch」の業務利用向けモデル~セキュリティ機能などを強化


 日本電気株式会社(NEC)は23日、企業向けに機能を強化したAndroid 2.2端末「LifeTouch NOTE ビジネス向けモデル」「LifeTouch セキュリティパックモデル」を発表した。いずれも、ベースとなる製品の基本機能を受け継ぎながらも、企業でのさまざまな業務に活用したいというニーズに対応するため、セキュリティ面などでNECが独自の機能強化を実施している。出荷は8月26日より開始される予定。

 新製品のうち「LifeTouch NOTE ビジネス向けモデル」は、スマートブックタイプのAndroid端末。ベースとなった「LifeTouch NOTE」同様、タッチ操作対応の7型ディスプレイに、ノートPCライクなフルキーボードを備えており、営業や保守員などの携帯端末として、業務文書を外出先などでも手軽に作成したり、外出先から社内ネットワークに安全にアクセスしたりできる環境を提供するという。

 一方の「LifeTouch セキュリティパックモデル」は、7型タッチパネルを備えたタブレット端末「LifeTouch」をベースにした、セキュリティ強化型モデル。ショールームや店舗で接客時に利用するプレゼン用端末や、訪問販売・商品管理・物流検査・保守サービスなどの現場で、持ち運びや操作が容易な専用端末として利用できるような製品を目指したという。


LifeTouch NOTE ビジネス向けモデルLifeTouch セキュリティパックモデル

 両モデルにおける具体的な強化点としては、ベース製品でマスクされていたAndroid 2.2標準のIEEE 802.1x認証機能を利用可能にしたほか、社内での移動を想定し、無線LANのハンドオーバーをサポート。接続できるIPアドレスを制限する「IPアドレスフィルタ」機能を搭載し、企業が指定するIPアドレス以外につなげないようにできるので、特定業務専用端末として、専用サーバー以外には接続させない、といった運用も行える。

 また、アプリケーションのインストールを管理者が制限する機能、端末の操作ログを取得する機能などを搭載。スクリーンロックの解除用パスワード利用を強制したり、けた数や文字数、有効期限などのパスワードポリシーを強制したりといった、パスワード関連の機能も強化されている。

 VPN機能も、OS標準のものに加え、米国などで実績のあるAuthenTec社製IPsecVPNクライアントや、フォーティネットのSSL-VPNクライアントが利用可能。加えて、あらかじめ設定した回数を超えてパスワード入力が失敗した場合に、内蔵データやSDカード内データを消去するローカルワイプ機能、SDカードのデータを暗号する機能(LifeTouch セキュリティパックモデルのみ)などによって、端末の紛失・盗難時のセキュリティを確保可能だ。

 さらに、内蔵アプリも拡充されており、メーラーアプリ「ウェブリメール for Android」において、企業でのニーズが高いMicrosoft Exchange環境をサポートしたほか、「LifeTouch NOTE ビジネス向けモデル」では、定型文呼び出しや古いデータの自動削除、文書へのパスワード設定といった機能を備えるテキストエディタ「ライフノート for Business」を搭載している。

 なお、単体での利用に加えて、各種MDM(モバイルデバイス管理)ソリューションとの連携による統合管理もサポートした。これによって、システム管理者がリモートから端末ロックや不正利用の監視を行うなど、より効果的な集中管理を実現するとしている。具体的な例としては、Microsoft Exchange ActiveSyncを利用して、管理者による各端末の内蔵データのリモート消去や、パスワードポリシーの設定などを管理可能とのことで、マカフィー、AXSEED、OPTiMの製品についても連携が可能とした。

 また、両製品とも企業向けに位置付けられるため、用途に応じたカスタマイズにもNECが対応するとのこと。製品仕様通りの場合の参考価格は、「LifeTouch NOTE ビジネス向けモデル」のWiFiモデルが5万3000円(税別)、3Gモデルが6万3000円。一方の「LifeTouch セキュリティパックモデル」は5万3000円(税別)で、こちらはベースとなった「LifeTouch」同様、標準では3G通信機能は搭載しない。

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