シトリックス、ハイブリッドの検証施設「Citrix Cloud Competency Center」を開設へ

XenServerのビジネスアップデートも説明


 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(シトリックス)は29日、ハイブリッド環境の検証施設「Citrix Cloud Competency Center」を2011年中に開設すると発表した。顧客やパートナーなどが、本番環境へのクラウド導入前に、各種検証作業などを無償で行えるようになるという。

 「Citrix Cloud Competency Center」は、パブリッククラウド環境と社内のプライベートクラウド/オンプレミス環境などを組み合わせた、ハイブリッドクラウド環境の検証や体験を行える施設。「パブリッククラウド環境との相互運用性を事前に検証したい」「ークロード管理や動作、セキュリティを検証したい」「仮想デスクトップなどをクラウド環境から利用する際のパフォーマンス検証をしたい」といったニーズに応える目的で設置される。

 同センターでは、さまざまな環境を用意していく予定だが、まずは米国を拠点とするプロバイダ、SoftLayerとの連携のもとで、ハイブリッド環境を構築。シトリックスのアプリケーションスイッチ「NetScaler」が持つ、企業内のデータセンターと複数のパブリッククラウドをシームレスに連携させる機能「NetScaler Cloud Bridge」を利用し、別々のクラウドテナントとして設定された2つのクラウド環境が、1つのシステムとして動作することを検証する。さらに今後は、国内外の大手パブリッククラウドベンダーとの連携し、相互運用性検証サービスを拡充していく予定だ。

 なおシトリックスでは、10月4日に開催されるプライベートイベント「Citrix iForum 2011 Japan」の基調講演において、「Citrix Cloud Competency Center」のデモを行うとのこと。


顧客の課題Citrix Cloud Competency Centerでは、さまざまな検証やデモを行えるという

 

XenServerのビジネスは着実に前進

シトリックス マーケティング本部 プロダクト マーケティング マネージャーの北瀬公彦氏

 また9月29日に行われた報道向けの説明会では、XenServerの現状についての説明も行われた。シトリックス マーケティング本部 プロダクト マーケティング マネージャーの北瀬公彦氏によれば、「過去18カ月で、30万以上のホストシステムでXenServerが利用されているほか、XenDesktopのハイパーバイザーとしては、50%以上がXenServer」とのこと。

 拡大する一途のクラウド環境においても、「大手のメジャーなベンダーは、ほぼXenもしくはXenServerを採用しており、特に新しい環境ではXenServerが採用されるケースが多くなっている。RackSpaceのように、XenからXenServerへの移行も見られる」とのことで、好調に推移しているとした。

 一方で国内に目を向けると、デスクトップ仮想化/DaaS分野では三菱東京UFJ銀行、NTTコムウェアに採用。IaaS環境では北海道大学、フュージョン・コミュニケーションなどに導入されており、CloudStackを含めた多くの事例があるという。


クラウド環境でのXenの利用国内での採用状況

 さらに製品面でも、5月に米国で開催されたカンファレンス「Synergy2011」では、メジャーアップデートとなる「XenServer 6」が発表され、多くの強化が行われている。例えば、安定性やスケーラビリティが向上したほか、XenDesktop向けの最適化機能の搭載、SR-IOVのサポートや、Open vSwitchを標準の仮想スイッチに採用するなど、ネットワーク回りの最適化などが行われている。

 こうした機能の詳細については、弊誌の連載「仮想化道場」でも、「Xen 4.1ベースに生まれ変わった次期サーバー仮想化ソフト『XenServer 6.0』」として紹介しているので、そちらをご参照いただきたい。なお今後も、引き続きXenServerの進化については、お届けしていく予定だ。


XenServer 6.0での強化クラウド向けの最適化とネットワーク機能
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