デル、外気冷却データセンターへの取り組みを強化~動作保証温度の範囲を拡大


外気冷却とは

 デル株式会社は24日、データセンターにおける外気冷却への対応強化を図るため、従来の稼働保障温度を拡大したことを明らかにした。サーバー、ストレージ、ネットワーク機器などの一部において、従来は室温10~35℃だったものを、条件付きでマイナス5~45℃に拡大している。

 現在、データセンターにおける取り組みの一環として、外気冷却への対応が広がっている。外気冷却とは、空調をなるべく利用せず、外気を直接利用したデータセンター冷却の仕組みで、設備投資や電気代などの経費節減につながるほか、環境対策としても注目を集めている。

 デルでも、顧客のニーズがあることから、2008年に検証を開始。室温40℃かつ湿度85%の環境で18カ月、室温5℃かつ湿度5%の環境で12カ月など、過酷な環境での製品の耐久検証を行ってきた。その結果、室温45℃では90時間、室温40℃であれば900時間の連続稼働が可能だったほか、逆に低温では故障率にほとんど影響がないことなどがわかったという。

 今回はこうした結果を踏まえて、動作保証温度が拡大されたが、常時高温環境での利用ではなく、一部時間が高温になる可能性がある、外気冷却のデータセンターでの利用を想定しているため、例えば40℃の状態では全体の10%の時間まで、45℃の状態では全体の時間の1%まで、との制限が加えられている。

 こういった条件が設定された理由について、デルの公共・法人マーケティング本部のサーバブランドマネージャ、布谷恒和氏は、「米国ニューヨーク市の気温に基づくシミュレーションでは、30℃以上の気温になるのは全体の10%だけ。常時高温運用に対応した機器が必ずしも必要なわけではないことがわかった」と説明した。

 また対象製品は、x86サーバー「PowerEdge R710/R610/T610」、iSCSIストレージアレイ「EqualLogic」、ストレージアレイ「PowerVault MD1000/MD3000」、スイッチ、PDUなど。布谷氏は「競合ベンダーでも高温対応の製品はあるが、エントリーサーバーの一部に限られている。それに対して当社では、データセンターを構成する基礎的な要素についてそろえている点が違いだ」とアピールした。

 なお、対象製品で特に何らかの強化がされたというわけではなく、検証によって動作保証温度を拡大しても問題ないことが確認されただけとのこと。すでに販売済みのものも、特にサポートの切り替え等をすることなく対象になるとしている。


対象製品他社同等サーバー製品との比較
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