千葉市、176校で8000台のシンクライアント環境を構築~全教職員・生徒学習用に


システム全体構築図

 富士通株式会社は26日、千葉市教育委員会 教育センターと共同で、市内小中特別支援学校176校の全教職員用と生徒学習用(小中学校で児童生徒約7万7000人、教職員4300人)にシンクライアント8000台を新たに導入し、大規模な「Cabinet統合システム」を構築したと発表した。

 千葉市は1999年より教育情報ネットワーク「Cabinet」整備事業を始め、市内176校において校内LANの整備・充実による情報教育の高度化や、校務作業のICT化による業務の効率化を推進。その一方で個人情報の漏えい防止も検討しており、双方を強化できる施策としてシンクライアントシステムの構築を決めた。

 同システムでは、デスクトップ仮想化ソフトに「Citrix XenDesktop」を採用。教科指導用・校務用のPCとしてノートPC型シンクライアント「FMV-TC8390」を約3000台導入し、仮想デスクトップ環境を構築。一方、PC教室には、デスクトップ型シンクライアント「ESPRIMO D550/B」約5000台を導入し、児童生徒の個別学習に対応した環境を実現した。

 実際のリソースは千葉市庁内で集中管理され、教員が自宅作業をする際、児童生徒の住所や成績といった個人情報をUSBメモリなどで持ち帰ることなく、自宅にあるPCからVPNでアクセス可能。学校にあるPCと全く同じ画面で作業ができるなど、セキュリティと利便性を両立した。

 また、授業時間には教科学習で使用する端末を、カードの認証技術などにより職員室で教職員が校務にも活用できる仕組みとすることで、資源の有効活用を実現。今まで各校に出向いて行っていたPCの保守作業もセンターから一括して実施できるため、運用保守の作業軽減とコスト削減が可能としている。

 このほか、教職員のコミュニケーションを活性化するグループウェア「SA@SCHOOL」、児童生徒の成績処理を行うWeb型校務システム「SA校務システム」を教職員の仮想デスクトップ環境に配置している。

 千葉市は今後も、セキュリティを考慮した教育のICT化を推進。富士通はシステムのサポートや最新情報の提供を通じて、千葉市による安定運用などを支援する。

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