山口県宇部市、小中学校37校のPCをVMware Viewで仮想デスクトップ化
37校1327台のPCを市で一元管理
ヴイエムウェア株式会社は30日、山口県宇部市がVMware Viewを導入し、市内の小中学校37校に配備されている1327台のPCを仮想デスクトップ環境に移行したと発表した。
同市は1999年~2000年に37校に約20台ずつの物理PCを導入し、デジタル教材を活用した情報教育を行ってきた。しかし経年劣化に伴い、PCに関するさまざまなトラブルが発生。授業開始前に担当教員がPCの動作を確認し、必要に応じて復旧作業をしていたが、担当教員によってITの知識にも差があるため、ここ数年は授業に支障をきたすケースがあったという。
そこでデスクトップ仮想化に踏み切った。採用したのはVMware View。37校に導入された1327台のPCをすべてオラクルのシンクライアント端末「Sun Ray」に置き換え、実際のIT資産は同市情報政策課に配備された4台のラック、19台の仮想サーバーに集約。2010年9月より運用を開始した。
仮想デスクトップ環境へ移行したことで、PCの運用管理は、学校単位の個別管理から市による一元管理へと変わった。その結果、マシントラブルは今のところゼロとなり、教育現場での負担が解消された。
小学校においては市販の教育支援ソフトを活用したインターネットの調べ学習、中学校ではMicrosoft Officeを使った卒業制作やレポート作成などの授業に、パフォーマンス面でも問題なく活用されているという。
今後の予定としては、2011年度中に仮想PCのOSをWindows XPからWindows 7にアップグレードする計画。また、現在は接続数の増加に応じて仮想デスクトップ用サーバーを順次起動していく運用方針だが、VMware DPM(Distributed Power Management)による動的な電源管理に切り替えていく。さらに現在はPC教室のみでの利用だが、今後は普通教室への拡大も視野に入れるほか、行政全体の最適化にも利用していく方針という。