CTC、東京農工大学の教育用情報システムをクラウドで刷新
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は4日、国立大学法人東京農工大学の学生・教職員約1万1000人が利用する教育用情報システムをクラウドで刷新し、2月より稼働したと発表した。
同システムは、教育システム、インターネット情報システム、統合管理運用システム、統合ストレージ、図書館用システムなど多岐にわたるサブシステムから構成される。これまでは、アプリケーションやサービスが次々とシステムに追加され、管理負荷が増大していた。
新システムでは大学固有のシステムはプライベートクラウド、メールはSaaSと各システムに最適な方式を採用することで運用負荷を軽減するとともに、サーバー台数、消費電力ともに2分の1の削減に成功したという。
プライベートクラウドには、CiscoのIAサーバー「Cisco UCS」、EMCのユニファイドストレージ「Celerra NS-480」、VMwareの仮想化ソフト「VMware vSphere」を組み合わせて構築。「VMware View」を使って、デスクトップ環境もクラウド化した。530台のすべてのクライアント3次元CADや技術解析ソフトも仮想環境上で利用しているという。
図書館システムもパッケージを刷新しプライベートクラウド上に構築した。既存システムのデータベースを移行し、将来の学術認証フェデレーション対応に向けたプラットフォームとして、「Shibboreth認証」(国立情報学研究所が推進する学術認証フェデレーションの基盤となるミドルウェア)を実現している。
一方、メールはCTCが提供する教育機関受けクラウドメールサービス「A-Cloud Mail」を採用。1万1000人すべて移行した。同サービスは、入学・卒業などで毎年度利用者が入れ替わるなど、企業とは異なる運用がなされる教育機関の利用形態に合わせているのが特徴。
東京農工大学は今後もクラウド基盤を生かして事務システムを刷新する予定。将来ET機には学内のプライベートクラウドからさらに拡大し、近隣の国立大学との大学間クラウドへと展開していく予定という。
【お詫び】記事初出時、東京農大とありましたのは東京農工大学の誤りです。お詫びして訂正いたします。