NEC、プライベートクラウド環境向けソフト製品群を強化

統合管理スイートやクラウド指向DBなどを提供へ


ITソフトウェア事業本部長の池田治巳氏

 日本電気株式会社(NEC)は28日、プライベートクラウド構築のためのソフトウェア製品群を強化すると発表した。既存システムやパブリッククラウドとの連携、システムの統合管理などを行える製品を、2011年度に順次提供するという。

 NECでは2009年10月に、クラウドを支えるITプラットフォームビジョンとして「REAL IT PLATFORM Generation2」を発表し、このビジョンに沿ったプラットフォーム製品を発表している。ITソフトウェア事業本部長の池田治巳氏は「当社では、リソースの効率的な運用を支援する『高効率インフラ』、安全かつ高信頼・高性能なサービスを提供する『サービス実行基盤』、システム全体の運用を最適化する『システムサービス管理』の3つの軸で製品を提供しており、今回もこれに沿って製品を強化した」と、同社の取り組みを説明する。

 また、「2010年度までは個別製品として開発してきたが、統合クラウド環境を実現するために、メーカーの方で必要な機能をスイート化し、お客さまの導入を簡易にする取り組みを始める。ライセンスのモデルもスイート化に合わせて見直していくことも含めて対応していこうと思っている」と述べ、企業での導入を多方面で支援する意向を示した。

これまでの製品展開これからは製品単体に加えて、統合されたスイートを強化していくという
今回の製品強化のポイント

 具体的なスイート製品としては、「システムサービス管理」に位置付けられる「WebSAM Cloud Manager」「WebSAM vDC Automation」を提供する。

 新製品のうちWebSAM Cloud Managerは、セルフサービスポータルによる可視化の機能を備えたソフトウェアスイート。また、ことで、プライベートクラウド環境と既存システム、パブリッククラウド間のサービス連携と、クラウド間でのリソースの融通を可能にするなど、共通の管理ポータルを用いて、クラウド環境の一元管理を支援するための仕組みを盛り込んだ。

 池田氏はこの狙いを、「現実的には、お客さまのシステムが単一ベンダー、単一プラットフォームで構成されていることは少ない。そういった他社のクラウド製品、管理製品などと連携することで、ヘテロジニアスなシステム環境でも統合運用を行えるようにする」と説明している。

 2つ目のWebSAM vDC Automationは、データセンターの運用自動化を実現するソフト。仮想システムの設計・構築・廃棄を行うオーケストレーション機能と、それをもとにネットワークやシステムリソースをユーザーへ割り当てるプロビジョニング機能によって、柔軟なITリソースの切り出しを行えるという。また、エラーメッセージに現れない性能劣化などのサイレント障害を自動的に検知し、原因の特定を行う「インバリアント分析技術」を活用。高精度のキャパシティプランニングを行えるとしている。

ヘテロなシステム環境に対応する統合クラウド環境から最適なリソース配置を実現
InfoFrame クラウド指向データベースの特徴

 また「サービス実行基盤」としては、「InfoFrame クラウド指向データベース」を発表した。これは、プライベートクラウド環境において、急激な負荷変動やデータ量の増加に柔軟に対応できる、インメモリ型のデータベース。池田氏は「KVS型データベースならではのスケールアウト特性を持ちながら、SQLのインターフェイスを提供しているのが特徴。SQLでアクセスできるため、上に乗るアプリケーションの開発が容易」と、この製品を説明している。

 なお、WebSAM Cloud ManagerとWebSAM vDC Automationは10月の出荷開始を予定し、料金は従量制を採用した。月額費用は、WebSAM Cloud Managerが基本使用料25万円(税別)から、従量料金がIDあたり50円(税別)から。WebSAM vDC Automationは、管理対象サーバーあたり、月額7000円(税別)から。

 一方のInfoFrame クラウド指向データベースは、8月の出荷開始予定。価格は1560万円(税別)からとなっているが、こちらについても、従量料金での提供を検討しているとのことだ。

 NECでは、プライベートクラウド環境の構築を検討している企業を中心にこれらの製品を拡販し、今後3年間で300システムの販売を見込んでいる。

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