ブルーコート、Webアプリの識別に対応した帯域制御装置「PacketShaper 8.6」


WebPulseとの連携イメージ

 ブルーコートシステムズ合同会社(ブルーコート)は18日、帯域制御アプライアンス「Blue Coat PacketShaper」の強化を発表した。アプライアンス用の新ソフトウェア「PacketShaperソフトウェア 8.6」を提供するほか、同ソフトを搭載したハイエンド筐体「PacketShaper 12000」と、レポーティングプラットフォームの新版「IntelligenceCenter 3」をラインアップに追加する。

 PacketShaperは、ネットワーク内を流れるトラフィックを解析して、帯域を制御できるアプライアンス製品。プロトコル、ポート番号ごとでトラフィックを分類するのではなく、個々のアプリケーションをきちんと識別し、ポリシーベースの制御を行うことができる。

WebPulseとの連携イメージ

 新版では、クラウドサービス「Blue Coat WebPulse」との連携に対応したのが特徴。WebPulseは、7000万以上のユーザーによるクラウド型監視サービスで、これによって、Webアプリケーションやコンテンツをリアルタイムに判定し、カテゴリー分けできるようになった。膨大な数のWebサイトやURLが80のカテゴリーに分類されており、類似コンテンツを一括管理可能なため、ポリシーの適用を容易に行えるという。

 米Blue Coat プロダクト・マーケティング&マネジメント シニアディレクターのスティーブ・ハウス氏は、「企業も、動画やソーシャルネットワーキング系のサービスを、自社のネットワークで利用することを許すようになった。ということは、そのトラフィックを把握しコントロールすることが、以前にも増して重要になっている」と述べ、この機能の必要性をアピールする。

米Blue Coat PacketShaper事業部 ゼネラルマネージャーのトム・シェイ氏

 また、同社 PacketShaper事業部 ゼネラルマネージャーのトム・シェイ氏は、「PacketShaperでは、700以上のアプリケーションを識別・分類できるが、Webアプリケーション/コンテンツは一見同じように見える。従来の分類では対応できないWebアプリケーション/コンテンツに対し、1日に80億件以上のURLを扱うWebPulseを活用することで、それらがWeb上に置かれた瞬間にも対応できる。これが画期的なポイントであり、他社にはまねのできない点」と、その優位性を強調した。

 なお、WebPulseでは1つのURLに対して最大4つのカテゴリーを付けて分類可能なことから、例えば同じFacebookの中でも、ステータス更新やチャットは許可しながら、ゲームをブロックする、といった使い方が可能になっている。

 2つ目の発表であるPacketShaper 12000は、従来の最上位モデル「同 10000」のスループットを2倍以上に高めたハードウェアプラットフォーム。500Mbps版、1Gbps版、無制限版と、2つのラインアップを用意する。また、処理できるTCPフロー、ホスト数、適用ルール数なども、最大5割の性能向上を果たしている。出荷開始は12月の予定。

 3つ目のIntelligenceCenterは、分散配置したPacketShaperアプライアンスの情報を用いて、一元的にレポートを発行する製品。新版では、PacketShaper 8.6でサポートされた「URLカテゴリー別分類」機能に対応したほか、ロールベースのアクセス制御が追加された。またこれまでは、データを集めるデータコレクター1カ所で20万フロー/分までの対応だったが、複数のデータコレクターのサポート、1カ所で最大50万フロー/分までの対応、といった強化を行い、スケーラビリティを向上させている。

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