ブルーコート、アプリのグループ化に対応した「PacketShaper 8.5」

グループ化で管理性が向上、VoIPやVDIの識別能力も向上

マネージングディレクターのマット・ベネット氏
企業では、さまざまなアプリケーションの識別が的確にできないと、数多くの問題が発生してしまうという

 ブルーコートシステムズ合同会社(ブルーコート)は9月3日、帯域制御装置向けソフトウェアの新版「BlueCoat PacketShaper 8.5」を発表した。仮想デスクトップを一部サポートしたほか、アプリケーションのグルーピング機能強化、VoIP対応の強化などが図られているのが特徴。保守契約を締結しているユーザーに対して、無償で提供される。

 Blue Coat PacketShaperは、ネットワーク内を流れるトラフィックを解析し、帯域を制御するアプライアンス製品。単に、プロトコルやポート番号ごとでトラフィックを分類するのではなく、個々のアプリケーションを的確に識別し、ポリシーベースの制御ポリシーを適用できる点が特徴という。

 今では、アプリケーションを識別できる製品は多々存在するものの、マネージングディレクターのマット・ベネット氏は、「5分間隔でモニタしていても、1分間だけ帯域のバーストが起こっているかもしれない。アプリケーションを単に発見するだけでなく、時間とともにどう変化しているかをモニタが必要だ。他社の製品では、一般的な傾向程度しかとらえられていない」という点を指摘。600以上のアプリケーションを識別でき、リアルタイムでの監視能力を持ち、管理者が容易に制御ポリシーを設定できるPacketShaperであれば、アプリケーションの制御に関する企業の要件をすべて実現できるとした。

 新版では、こうした特徴を受け継ぎながら、アプリケーションをグループ化して管理できる機能を追加した。わかりやすくいうと、「お客さま、もしくは当社が用意するテンプレートによってアプリケーションを分類し、管理しやすいようする機能」(ベネット氏)で、管理者のユーザビリティがより向上している。ブルーコート側で用意する場合は、クライアント/サーバー、ディレクトリサービス、ヘルスケア、メッセージング、印刷トラフィック、ルーティングトラフィック、といった分類でグループ化できるという。「お客さまは数多くのアプリケーションが走っている、という情報を出してもらってもうまく管理できない。企業グループ全体を管理しないといけない管理者に対しては、グループ化の機能は重要だろう」(ベネット氏)。

 また、アプリケーションの識別能力もより向上した。具体的には、Virtual Desktop Infrastructure(VDI)製品「VMware View」のトラフィックを識別・管理する機能が搭載され、VDIのトラフィックでWAN回線が占拠されてしまうことを防げるようになる。また、VDIについては、Proxy/WAN高速化機能を備えたアプライアンス「Blue Coat ProxySGシリーズ」と連携すれば、支店・支社への配信時間を大幅に削減できるとした。さらに、異なる機器やアプリケーションを利用した音声トラフィックを自動的に認識する機能も備え、これによって、VoIPの制御をより細かく行えるようになった。同社によれば、VoIPアプリケーションだけでも、大きく分けて20種類以上を識別できるとのこと。

 「当社が標ぼうするADNを強化する第一歩として、アプリケーションの認識は重要なこと。なぜなら、可視化を実現することによって、各企業とも、IPの観点から必要な情報を特定し、理解することが可能になるからだ」(ベネット氏)。




(石井 一志)

2009/9/3 14:32