2010年度中間期は単体・連結とも増収増益に~大塚商会中間決算発表


連結売上は昨対7.1%増の2443億、経常利益は11.4%増の125億

大塚商会 代表取締役社長 大塚裕司氏

 株式会社大塚商会は、2010年12月期の中間決算(2010年1月-6月)を発表した。

 連結売上高は、対前年同期比7.1%増となる2442億9500万円 、営業利益は10.2%増の122億1600万円、経常利益は11.4%増の125億2900万円、四半期純利益は11.2%増の70億5700万円と増収増益となった。

 売上高のセグメント別内訳は、システムインテグレーション事業が対前年同期比10.2%増の1384億6500万円、サービス&サポート事業が3.1%増の1047億0500万円、その他の事業が13.1%増の11億2300万円。

 単体では、売上高は対前年同期比6.6%増の2285億8900万円、営業利益が13.1%増の114億1700万円、経常利益が13.0%増の118億3000万円、四半期純利益は10.9%増の66億8700万円となった。


「売り上げ回復が増益につながった」大塚裕司社長

 大塚裕司社長はこの業績について、「連結、単体共に計画を上回る増収増益を実現することができた。四半期ごとの売上げでは2008年第2四半期以来の増収増益。前期の減収減益の原因は売上げ減だったが、売り上げが回復したことで増益実現につながった」と分析した。

 単体での詳細セグメント別売上高では、SI関連が前年を116億9300万円上回る1100億9000万円と大きく伸張し、サプライが33億円増の496億3100万円、保守が4200万円となり、9億6800万円減となった受託ソフトの152億9800万円以外は回復している。

 「計画段階では、上期はほぼ前年並みと見ていたが1-3月に大型案件受注があり、IT投資は更新需要を中心に持ち直していることを示す結果となった。買い控えが続いてきたハードについても需要が戻りつつある」。(大塚社長)

2010年1月-6月期の連結決算業績の概況連結売上高・利益の状況
連結売上高の四半期推移連結経常利益の四半期推移

 

上期好調だが通期業績予想は変更なし「慎重にいきたい」

 重点商品については、通販型サプライ販売事業である「たのめーる」の売上高が前年同期比9.7%増となる511億8300万円、ドキュメントソリューション事業「ODS21」が16.2%増となる217億0500万円など好調となった。

 ハードウェアについても、前期は2桁減だった複写機が12.1%増となる1万5982台、サーバーが13.2%増となる1万8423台、パソコンが33.1%増となる35万5401台と大きく復調した。

 「前期はカラー複写機も2桁減となっていたが、今期は2桁増に戻すことができた。これはコンピュータの営業マンがコピー機をパソコンのペリフェラルのひとつとして販売する体制を作り、営業体制が大幅に拡充したことも要因となっている。パソコンの販売台数も大きく伸張しているが、企業のWindows 7への切り替えが始まるのはこの夏以降。それにも関わらずこれだけ伸張したのは、IT需要の潮目が変わったことの現れ」と大塚社長は説明している。

 上期は好調だったものの通期業績は期首計画から変更せず、連結売上高4510億円、営業利益167億円、経常利益170億円、当期純利益91億6000万円のままとした。

 これは、「上期が好調で、ITの更新、買い換え需要は堅調としているにも関わらず上方修正を行わないことは矛盾しているようだが、2期連続で目標を裏切ってしまったことを考えると、慎重にいきたい」ことが理由だと大塚社長は説明している。

連結 セグメント別売上高単体 詳細セグメント別売上高
単体 詳細セグメント別 売上高増減率の四半期推移単体 重点戦略事業の状況

 

2000年問題でのハード入れ替えから2巡目の時期にさしかかる

 2010年のIT市場については、「2000年問題でのハード入れ替えから2巡目にあたる時期に差し掛かっている。エコという観点からも、2005年当時のパソコンは消費電力の大きなCPUが搭載されており、現在の製品と比較すると9割がた無駄がある。さらに現行のIPv4が来年頃には枯渇すると見られており、IPv6への切り替えもハード入れ替えのきっかけとなる可能性がある」とプラス材料が揃っているとの見方を示した。

連結 売上高・利益の計画

 ただし、仮想化によるサーバー統合や、クラウド活用によるデータセンター利用などが増えていることから、「サーバーの台数を追うのは難しい時代になった。こうした時代に対応するために、当社としても保守ビジネスはこれまでのハードウェア系だけを行っていたのでは時代にマッチしない」とハードウェアのみの保守はニーズに合わなくなっていることを指摘。

 「安全なインターネットサービス、アプリケーションサービス、運用・監視・管理サービスなどクラウド型のマネージドネットワークサービスを増やしていく必要がある。すでにASPなど6万9000契約の実績があるが、これをさらに増やしたい」とクラウド型保守サービス拡充が重要だとした。

 また、大塚社長は景気動向について自社で提供しているコピー用紙の出荷状況をあげて、「コピー用紙は企業が事務用にしか利用しない商品で、集計している出荷トン数でビジネス状況がわかる。コピー用紙の出荷でいえば2009年6月が底で、同じ09年の12月以降今年6月まで前年比2桁増が続いている。景気は回復していると見て間違いないのではないか」と説明した。

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