日本HP、Xeon 7500番台を8基搭載できるProLiant新製品

CAE向け最高性能のスケールアップサーバー


 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は8日、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)分野向けに「HP ProLiant」の新世代機「Generation 7」のラインアップを拡充すると発表した。


HPC/CAE市場向けの新ProLiantサーバー

 新たにXeon 7500番台搭載の4wayモデル「DL580 G7」、8wayモデル「DL980 G7」、およびOpteron 6100シリーズ搭載の4wayモデル「DL585 G7」の3製品を投入。併せて、HP ProLiantサーバー向けにPCI Express接続対応の高速半導体ストレージ「HP PCIe IOアクセラレータ」もリリースする。

 新3モデルは「信頼性」「拡張性」「効率性」にフォーカスした、ラックマウント型スケールアップサーバー。特に高速化・大規模化・高いコスト効率が求められるHPC市場に訴求するという。

 新3モデルすべてで、リモート管理ツールの最新版「iLO 3」を搭載。大量の内部温度センサーによりシステム冷却を最適化し省電力化を図る「Sea of Sensor」、高効率・共通スロットのパワーサプライ、消費電力の上限を固定する「Dynamic Power Capping」など、独自の省電力機能を備えている。


統合化CAE環境を実現する「CAEリファレンスアーキテクチャー」

エンタープライスストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー事業本部 製品マーケティング本部 製品企画部の中井大士氏

 エンタープライスストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー事業本部 製品マーケティング本部 製品企画部の中井大士氏は、HPC分野の特にCAE環境の課題について、「さまざまな解析システムが必要だが、それらが統一されておらず、異なる管理体系により管理負荷が増加。ユーザー側でも処理の増大により肥大化したワークステーションが室内温度や消費電力を増加させている」と指摘。

 これに対して日本HPは、統合化CAE環境を実現するソリューションとして、CAE環境に必要な「可視化ノード」(HP Blade Workstationなど)、「計算ノード」(HP BladeSystem/ProLiantなど)、「共有ファイルシステム」(HP StorageWorks X9000など)をトータルに提供する「CAEリファレンスアーキテクチャー」を提案している。

 今回の新3モデルはこのうち、計算ノード領域を強化するHP ProLiantスケールアップサーバー。

現在のCAE環境の課題CAEリファレンスアーキテクチャーの概要



XeonとOpteronを4基搭載可能なモデル

 DL580 G7は、8コアのXeon 7500番台を最大4基(32コア)、最大1TBのメモリを搭載できる製品。PCI拡張スロットも11本備え、高いI/O帯域を実現。最新のSAP SDベンチマークテストでは、1台のDL580 G7で2wayの「DL380 G7」2台分を上回る処理性能が実証済みという。

 価格は121万円から。出荷開始は8月下旬より。

 4wayとしてはこのほか、12コアのOpteron 6100シリーズを最大4基(48コア)、最大512GBメモリを搭載可能なDL585 G7も提供。2Wayサーバー「DL585 G5」の後継機種で、コア数とメモリ容量の大幅な向上に加え、2wayサーバーと同じCPUを採用することで、4wayサーバーとしてのコストパフォーマンスを高めたモデルとなる。

 価格は110万3550円から。出荷開始は8月下旬より。

DL580 G7DL585 G7



ProLiant史上最高の性能を備えた「DL980 G7」

DL980 G7

 そしてDL980 G7が「ProLiant史上最高の性能を実現する」(中井氏)8wayモデルだ。Xeon 7500番台×8基(64コア)、最大2TBメモリ、ホットプラグSAS HDD×8基、PCI Expressスロット×16本を搭載し、独自の高信頼機能「HP PREMAアーキテクチャー」を備えているのが特徴。

 同アーキテクチャーは、最大8基のCPU間で発生する大量の通信トラフィックを最適化し、処理能力のボトルネックを解消する技術。CPU2基1組で独自のキャッシュ「ノードコントローラー」を搭載し、各CPUの通信トラフィックをすべてキャッシングする「スマートCPUキャッシング機能」によって、効率的な処理と信頼性の更なる向上が実現するという。

 また、仮想環境でのシステムダウンを回避する「VMアイソレーション」機能も搭載。「致命的なメモリエラーが発生した仮想マシンだけを切り離してダウンさせて、サーバー全体への影響を防ぐもので、HPC分野での仮想化システムの連続可動性を向上する」(同氏)。

 価格は250万円からを予定。出荷開始は9月下旬より。


将来的にはCAEクラウドも目指して

CAEリファレンスアーキテクチャーのロードマップ

 同社のCAEリファレンスアーキテクチャーでは、HPC分野のプロセス統合化を目指した「第一世代」から、GPU/半導体ストレージにより爆発的な性能向上(アクセラレーターコンピューティング)を目指す「第二世代」、仮想化とHPCを両立させ究極の柔軟性(CAEクラウド)を実現する「第三世代」へと向かう継続的なロードマップを描いている。


カードタイプの高速半導体ストレージも提供

HP PCIe IOアクセラレータの概要

 HP PCIe IOアクセラレータは、第二世代への1つの要となるオプション製品で、ラックマウント型ProLiantサーバー向けに新たに製品化されたカードタイプの高速半導体ストレージ。PCI Expressバス接続に対応しており、SATA/SASインターフェイスのSSDと比べて、データ転送の大幅な高速化が可能という。

 また、不発揮性のNAND型フラッシュメモリを使用しているため、サーバーの電源を切ってもデータが消えることはない。HDDのように読み取りヘッドをデータに合わせるための円盤の回転待ちも不要となり、読み取り開始までのレイテンシを短縮できる。

 ラインアップは、高速タイプの「Single Level Cell(160/320GB)」、大容量・低コストタイプの「Multi Level Cell(320/640GB)」。価格は83万2650円から。出荷開始は8月下旬より。

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