日本HP、x86サーバーの新世代機「Generation 7」シリーズを発表

最新CPU搭載、運用管理性を大幅に向上

エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー事業本部 事業本部長の林良介氏

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は5月20日、x86サーバー「HP Proliantサーバー」の新世代機として「Generation 7」(以下、G7)シリーズ5モデルを6月下旬より出荷開始すると発表した。

 「HP Proliantサーバー G7」シリーズは、前世代機「Generation 6」から提供されている独自の消費電力抑制機能を継承しつつ、最新CPUのXeon 5600番台およびOpteron 6100番台を搭載。特に、最大12コアのOpteron 6100番台搭載モデルは、アーキテクチャの刷新によって最大24コア256GBメモリを実現し、前世代機よりコア数メモリ容量とも大幅にパフォーマンスアップしている。また、新世代機では、新たにリモート管理ツールの最新版「HP Integrated Lights-Out 3」(以下、iLO 3)を搭載し、さらなる管理性向上と運用コスト削減を実現する。

 エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー事業本部 事業本部長の林良介氏は、新世代機の発表にあたり、「HPは、x86サーバーを投入して以来20年間、ワールドワイドでシェアNo.1をキープし、テクノロジーリーダーとして業界をけん引してきた。国内においては、日本市場に沿った施策を展開し、製品開発、価格、パートナーモデル、製造、情報提供に至るまで、日本品質の実現を徹底している。昨年は、経済状況の悪化によって、一時的に出荷台数が落ち込んだが、今年に入って急速にV字回復している」と、x86サーバーの販売が好調に推移していることを説明。

 「こうした市場背景の中、今回の新世代機は、“日本を加速するサーバー”と位置づけ、性能とともに運用管理性の向上にフォーカスした。この新世代機の能力を最適化したソリューションを、最先端のサービス分野、ハイパフォーマンス分野、仮想化統合分野に向けて提供することで、国内の顧客およびパートナーのビジネスを加速させる原動力にしていきたい」と、新世代機の狙いを述べた。

HP ProLiant DL360 G7HP ProLiant DL380 G7HP ProLiant DL385 G7

 今回発表したG7シリーズは、Xeon 5600番台を搭載した2Uモデル「HP ProLiant DL380 G7(以下、DL380 G7)」と1Uモデル「HP ProLiant DL360 G7(以下、DL360 G7)」、Opteron 6100番台を搭載した2Uモデル「HP ProLiant DL385 G7(以下、DL385 G7)」と1Uモデル「HP ProLiant DL165 G7(DL165 G7)」、およびスケールアウト向け2Uモデル「HP ProLiant SL165z G7(以下、SL165z G7)」のラックマウント型、全5モデル。

エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー事業本部 製品マーケティング本部 製品企画部 担当部長の富田浩次氏

 エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー事業本部 製品マーケティング本部 製品企画部 担当部長の富田浩次氏は、G7シリーズの機能強化ポイントについて、「今回のG7シリーズでは、最新Xeonを搭載しHPC市場のハイパフォーマンス用途に応えるモデルと、最新Opteronを搭載し仮想化の効果を最大化するモデルをラインアップし、市場から求められる高性能ニーズに対応した。また、高性能化に加えて、リモート管理ツールの最新版『iLO 3』の搭載によって、運用管理性を大幅に向上したこともG7シリーズの大きな特徴」としている。


リモート管理ツール「iLo 3」の特徴「iLo 3」の高速化の理由

 iLo 3は、HP ProLiantサーバーの運用をリモートから管理できるツールで、DL380 G7/DL360 G7/DL385 G7の3モデルに搭載される。最新版では、旧バージョンの「iLo 2」に比べて、リモートコンソールによる遠隔操作を8倍速、仮想メディア機能によるCDドライブからサーバーへの遠隔インストール速度を3倍速に向上。さらに、GUIによる操作性の向上、すべてのファンクションに素早く行けるツリービュー(ナビ・ウィンドウ)の追加、ハードウェアベースのAES暗号化への対応といった機能強化を実施している。これにより、サーバー管理者は、作業時間の短縮・効率アップ、および運用コスト削減を図ることが可能となる。

 価格は、DL380 G7が28万6650円から、DL360 G7が26万5650円、DL385 G7が26万2500円から、DL165 G7が16万1700円から、SL165z G7が30万4500円。




(唐沢 正和)

2010/5/20 17:26