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今治市が経費精算クラウド「楽楽精算」を導入、年間約150時間の審査業務の削減を見込む

 株式会社ラクスは3日、愛媛県今治市が、1300名を超える職員を対象にクラウド型経費精算システム「楽楽精算」を導入し、2026年3月より本運用を開始したと発表した。この導入により、「国家公務員等の旅費に関する法律」(以下、旅費法)の改正に伴う業務負荷の増加を未然に防止するとともに、あわせて年間約150時間の審査業務削減を見込むという。

 今治市の総務部人事課では、既存のシステムで職員の旅費を管理していたが、事前の旅費申請審査には金額の計算とその確認、修正対応などアナログな工程が多く、月間約100時間という多大な時間を費やしていたという。また、2025年4月に施行を控えていた旅費法の改正に対し、従来のシステムでは対応できず、さらなる負荷が発生し確実に限界を超えてしまう危機感があったとのこと。

 そこで、業務負荷の削減と法改正後の業務増大に対応すべく、総務部人事課、未来デジタル課、出納室の3組織が連携してプロジェクトを立ち上げ、2024年5月より新たなシステム導入の検討を開始したが、プロジェクトの推進にあたっては、大きく2つの障壁を乗り越える必要があった。

 1つ目は、費用対効果の証明だ。従来の運用でも業務自体は回っていたため、新システム導入への理解を得るには費用対効果を提示する必要があり、このプロジェクトでは、作業時間・人件費などの業務効率化による削減効果や、証憑確認の高度化に伴う内部統制強化といった観点から導入の妥当性について説明を行い、予算取得に至ったという。

 2つ目は、計画的な「条例改正」への対応だ。旅費法改正への対応を進める必要がある中で、今治市が利用していた旅費管理システムでは実費精算に対応できなかったため、旅費法に準拠した内容の一部について、2025年4月に先行して条例改正を実施。その後、2026年3月の新システムの運用開始に伴い、実費精算に対応するための条例改正を行うといった、2段階での制度整備を実施している。

 なお、サービスとしては、クラウド型の経費精算システムである楽楽精算を採用した。その選定にあたっては、システムの操作機会が少ない職員でも直感的に操作できるユーザビリティに加えて、自治体特有の業務や慣習を深く理解した営業担当の「寄り添った提案」が大きなポイントになったとのこと。

 導入にあたっては、導入決定から運用開始までの約半年間、ラクスの「設定代行サービス」のサポート担当が毎週のミーティングで導入支援のために伴走。通常業務に加えて新システムへの対応が必要となる市職員の業務負荷を抑えながら、今治市の業務や慣習に寄り添った運用体制を構築した。

 また、全職員への定着を図るため、サポート担当を交えた庶務担当向け説明会を実施。さらに、以前に他システムでアップデートがあった際に、事前の操作説明のみで本運用を開始したため問い合わせが急増してしまった経験をもとに、本稼働前に1カ月間の試験運用期間を設定した。そして、この期間中の声をもとにFAQを充実させるなど、段階的にシステムに慣れる環境を整備したことで、大きな混乱なくスムーズな運用スタートを実現したという。

 こうして、申請者がルールブックを読み込むことなく、画面の指示に従って入力するだけで規定に沿った申請ができる環境を実現したことで、職員がシステム上で自己解決できるようになり、導入後の問い合わせが減少している。

 加えて、乗換案内やAI Travelなどの他社サービスとの自動連携、手当の自動計算、申請ルールチェック機能を活用し、誤った申請そのものを未然に防ぐ仕組みも整備した。これにより、従来は手作業で行っていた審査業務が大きく短縮され、全体で年間約150時間の削減が見込まれている。